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栄養士のつぶやき No.68|今回の地震を振り返って

特別養護老人ホーム いちい荘 管理栄養士 中井一仁

 平成30年北海道胆振東部地震で被害に遭われた方々に、心よりお見舞いを申し上げます。
地震による影響により道内全域が停電という未曾有の出来事により、対応にあたった皆様は厳しい状況であったと存じます。
今回のつぶやきでは、その点について書き綴りたいと思います。

私が勤める施設で地震が起こった後の状況については下記のとおりです。

  • 岩見沢市・・震度5弱
  • 地震による物損等は無し(前日の台風による被害はあったが厨房業務に支障は無し)
  • 停電(6日午前4時前に停電。復旧は8日午前3時頃)
  • ガス、水道は使用可能。お湯については貯湯タンクに入っている範囲で使用可能
  • 電話は可能(ただし、相手先が停電の為実質不可でした)
  • 自家発電により、一部電気使用可能(厨房内の電源はすべて使用不可)

 厨房内に電気が通っていない状況でしたが、まずは自家発電装置を使用し最低限使用する物の優先順位をつけました。
電源の容量上数に限りがあるため、3つある冷凍庫の内1個、3つある冷蔵庫の内1個、ミキサー食用のフードプロセッサー1台、次亜塩素酸生成装置を使用できる状況にし、また、室内照明の為LED式のランタン、ヘッドライトの準備を行いました。

 ご飯やお粥は通常ガスと電気で炊いているのですが、200V電源で使用できない状況であったため、ガスのみを使用し対応する事ができました。
また、スチームコンベクションオーブンも使用できないため、ガスで主菜・副菜の調理を実施しました。
直径40cmクラスの鍋を複数用意していたため、調理対応については滞りなく行う事ができましたが、仮に予備で準備していたガスコンロとガスボンベを使用する事になった場合、基本的に1本1時間程度で使い切ってしまう事と、大きい鍋を安定して乗せて調理できる状況であったかを再検討する必要があると思います。

 食洗器と食器保管庫が機能していない状況となっており、電源が復旧するまでの間ディスポの食器を使用しておりましたが、数に限りがありました。その為、長期間の停電に対応できるようラップで食器を包み、疑似ディスポとして使用する事を想定する必要がある事と、備蓄用品にラップを追加する必要があると感じました。

 食材の納品については、電話が不通の為、直接市内業者へ訪問し納品可能な食材の調整を行いました。
業者としても大変な状況で、市場が停止している為納品の目途が立たない状況で、野菜は、葉物やネギ類が品薄な状況でしたが、じゃが芋、玉ねぎ、大根の確保ができ、肉類についてもブロックの鶏肉や豚肉を確保することができたため非常食のみの提供にはならず、委託業者からの物資の納品もあり通常に近い温かい食事の提供を行う事ができました。

 停電によりエレベーターが使用できない状況となっておりましたが、施設職員・委託業者との協力のお陰で配膳することができました。階段内は非常に暗い状況であったため、階段の踊り場に照明の設置が必須でした。

 今回の災害で知ったことは、大地震や台風の恐ろしさです。

 正直な話、このような状況になったのは初めての経験で、今までテレビやニュース等で流れている映像や被害状況等の情報は、研修会や情報誌等で知識としては知っておりましたが、対岸の火事のようにしか見ていなかったのだと痛感しました。
そして、災害によりなぜ一部地域ではなく、北海道全域が停電するんだ!と心の中で突っ込んでしまいました。

 前日の5日に台風の影響により、一時的に私の施設のある地区のみ停電した状況でしたが、翌日に2日間に渡って停電するとは夢にも思っていませんでした。
食材についてはある程度予想はしていましたが、停電の影響により乳製品類が軒並み納品不可になっておりましたね。
搾乳作業って牛乳を搾るための搾乳機(バキューム)や牛乳を保管・冷却するタンク(バルグクーラー)等電気無しには成り立たないから、本当に大変だったと思います。生乳を売るわけにはいかないですしね・・・。
逆に意外だったのが、時期的なものかもしれませんが、じゃがいもや玉ねぎ、大根の確保ができたことでした。
また、一部店舗はある程度営業していたことと、農村地区であるため、直接農家に交渉しに行く等の発想が出てくれば、もう少しスムーズな対応ができたのではないかなと思います。

 今回得られた教訓は非常に多いです。反省しなければならない点も多々あり自分の未熟さを感じました。

 だからこそ、こんな災害が起きても「余裕、余裕。」と言えるような管理栄養士になれるよう邁進していきたいと考えております。



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