第8セッション
演題 3
女子大学生におけるひじきの摂取頻度が
血中ヘモグロビン量におよぼす影響
発表者 ○岡部哲子、長谷川めぐみ、山部秀子
(天使大学看護栄養学部栄養学科)
【目的】本学の学生対象のアンケート調査(鉄分を含む食品の認知度と貧血の自覚症状:前報)から、鉄分の多い食品として挙げられた「ひじき」の摂取頻度と貧血の自覚症状に関連がみられた。本研究では、ひじきの摂取頻度の違いが血中ヘモグロビン量に及ぼす影響を調べ、貧血改善のための効果的な食品摂取について検討を行った。【方法】2007年7月〜12月に本学栄養学科の女子学生44名を対象に、ひじきふりかけ毎日摂取群(A群)、乾燥ひじき週1回摂取群(B群)、および対照群(C群)の3群に分け、ひじき摂取を6週間継続することを条件に介入を行った。介入前後に3日間の食事記録およびヘモグロビン量(Hgb)の測定(末梢血管モニタリング装置)を行った。【結果】Hgb値は各群ともに、介入前、介入終了直後および3か月後の平均値に変化はみられなかった。しかし、A群において介入前のHgb値が比較的低値だった者(Hgb<12.5mg)は、介入直後に値が上昇する傾向がみられ、3か月後には低下傾向を示した。食事調査結果では、A群においてのみ、エネルギー摂取量の平均値が「介入前―3か月後」、「介入終了直後―3か月後」に有意な差がみられ、鉄分摂取量の平均値にも「 介入前―3か月後」に差がみられた。【考察】A群のHgb値が低かった者は、介入終了直後に値が上昇したことから、Hgbの低値者においては、ひじきの摂取は効果があり、週1回より毎日の摂取の方が、効果が期待できることが示唆された。3か月後のHgb値の低下は、介入終了による食事からの鉄分摂取量減少が影響している可能性が考えられることから、鉄分を多く含む食品摂取の習慣化がHgb値を高め、その維持に寄与する可能性が示唆された。A群の食事調査結果において、介入前後でエネルギーおよび鉄摂取量の平均値に差がみられたことは、介入による日常の食事への影響が考えられる。今後は、食品の組み合わせを考慮に入れた分析を行い、検討を進めていきたい。
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