第6セッション
演題 4
GABA含有豆酢の開発
(機能性物質を含んだ新食品開発の取り組み)
発表者 ◯小畑寿榮1)、守谷加代1)、太田裕一2)
((有)食ネット北海道1)、オホーツク圏地域食品加工技術センター2)
【目的】北海道の農林水産物には機能性を持ち合わせる食材もある。体に良いとされる機能性を持たせることにより、より付加価値の高い食材を生み出す研究が多く試行されている。高級菜豆類の生産を誇る北見市留辺留辺蘂町の豆を利用し、機能性アミノ酸(GABA)を含有する飲料酢を開発した。この飲料酢は機能性アミノ酸の含有により,豆に高付加価値を賦与した商品として本州の百貨店や嗜好性の高いスーパーなどに陳列されることを目的として商品をデザインした。
【方法】
大正金時、虎豆,白花豆、紫花豆等インゲン類及び豆類を用いて常温の穏和な条件下でのグルタミン酸からのGABAへの高濃度生成機能を明らかにし,該知見に基づいた種々の加工食品製造の実施例を列記した山岸喬(北見工大)の出願特許(平特願2007-50810)を使用し、酢酸発酵による短期間の豆酢製造法を開発した.
【考察】
吸水膨潤させた金時豆1.5部に対して精製水を2.25部加えて粉砕してスラリーとした。次に、pH6.5付近を酸味料添加で維持しながら25℃で2時間留め置き,金時豆に内在する種々の酵素反応を惹起した.その後に90℃まで加熱殺菌して自然冷却後に粗濾過を行い,酢酸発酵用の醪(もろみ)培地とした.当該培地に酒精分5%に成るように焼酎等を加えて,本邦で伝統的に使用されている酢酸菌を純粋培養した種酢を接種し、30℃〜35℃で3週間静置発酵してJASに定まる酸度規格に適合する酢醪を得た. 65℃,30分問の低温殺菌と濾過を行い,熟成を経てGABAに富む金時豆酢とした.然かる後,酢の健康イメージとGABA含有の差別化を念頭に置いた、調味処方の開発とデザイン上の工夫をして商品試作を行ったので報告する。
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