第5セッション
演題 5
運動行動変容段階の高まりとメタボリックシンドローム症状改善の関連
−地域住民を対象とした天使健康栄養クリニックの効果−
発表者 ○ 百々瀬いづみ1)、森谷1)、清水真理2)、牧田章1)
木谷信子1)、原美智子3)、伊藤和枝1)、斉藤昌之1)、関谷千尋1)
(天使大学1)、天使大学大学院2)、前天使大学3)
[目的]近年、運動不足や過食等のライフスタイルに起因する、「メタボリックシンドローム(内臓脂 肪症候群(以下、「メタボ」)」該当者や予備軍が増えている。地域住民を対象にメタボ予防 を目的とした天使健康栄養クリニック(教室)を開催し、体組成、血液所見、栄養摂取量、 運動行動変容段階等を測定した。本報告では特に運動行動変容段階の面から、教室のメタ ボ症状改善効果等を検討する。
[方法]対象は、月2回、全8回開催した教室修了者(2006、2007年次生)の計58名(男性22名(37.9%)、女性36名(62.1%)、平均年齢は60.0±9.2(42〜78歳))。8回の教室の内容は主に、第1、7回目は同一項目による検査・測定を行い、第2〜6回目は毎回、集団指導(栄養、運動等に関する内容、1講義20〜30分×2講義)、個別指導(栄養指導・健康行動指導、各々1人10〜15分)、第8回目は検査・測定項目の変化についての講評と、会食を兼ねたバイキング形式による選択演習を行った。初回に歩数計と自宅運動用ビデオ(すわろビクス)の貸与と、生活日誌(起床・就寝時刻、運動状況等を記録)を配布し、毎日の記入をお願いした。
[結果]第1回時と教室終了時の運動行動変容段階(前熟後期〜維持期までの5段階)を比較し、行動変容段階が高まった者37名(運動行動変容大群)、その他の者21名(変容小群)の2群で比較検討した。運動行動変容大群では、変容小群に比べて、開眼片足立ちや、10m障害物歩行、3分間歩行などの体力指標の向上が大きく、腹囲、血圧値などの改善や、標準体重当りの摂取エネルギー量や脂質エネルギー比率の減少が顕著であった。 [考察]運動行動変容段階を高める生活は実際に生活の運動量を大きくし、その結果として腹囲、血圧などメタボ症状の改善を大きくすることに寄与したと考えられる。
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