第５セッション
演題　４		 食行動変容段階改善に関連の深い健康指標の解析
－天使健康栄養クリニック２００６と２００７の事例を対象に－
発表者 ○清水真理1、4) 、森谷　絜1、2)、百々瀬いづみ2)、木谷信子2) 、
原美智子3)、伊藤和枝1、2) 牧田章1、2)、斉藤昌之1、2)、関谷千尋1、2)
（天使大学大学院1）、天使大学2）、前天使大学3)、千歳保健所4)）
【目的】ライフスタイルの乱れや不適切な食生活や運動不足が発症要因となるメタボリック症候群（メタボ）や予備群の増加が目立ち、対策が急がれている。「天使健康栄養クリニック」はメタボ予防を目的に開設され、応募した地域住民に栄養指導、運動を中心に行動変容ステ－ジモデルを活用した健康行動指導を2006年と2007年に行った。食行動変容段階（SDB）、栄養摂取状況、体組成、自己効力感（SE）・サポート等の健康指標を調査・測定し、SDBと健康行動改善の関連を検討し、SDBと特に関連の深い健康指標を重回帰分析によって抽出する。
【対象と方法】2006年・2007年（各４ヶ月間）開催クリニック参加者のうち、修了者58名を対象。集団並びに個人面談による栄養教育と健康行動変容支援を行った。クリニックの事前事後に、SDB及びサポート、SE等の質問紙調査、栄養摂取状況、血液検査、腹囲・内臓脂肪面積等の測定を行った。測定値は全て個人に返すことでセルフモニタリングを高め、危機感を持たせた。スタッフは個々人の「変容ステージ」に対応して支援した。
【結果と考察】参加者のSDBは事前に比べて事後に高まった。同時にサポート、SE、栄養摂取状況、血液生化学値、内臓脂肪面積等の健康指標が改善され、SDB得点との間に有意な相関が認められた。SDBの高まりに関連の深い健康指標を重回帰分析した結果、食行動のサポート得点、血中アディポサイトカイン濃度、摂取食物総量が回帰された。参加者は、検査諸値から自分の体の状態を知り、健康的食行動に照らして自分の食行動の問題を意識化し、危機感を強めたと考えられる。栄養教育とモデルに基づく支援によってSDB を高めつつ行動変容を進めたと推測される。今後、要因と結果の関連を検討する。
【結論】食行動のサポート、血中アディポサイトカイン濃度、摂取食物総量はSDB向上と特に関連が深かった。

キーワード：行動変容ステージモデル、食行動変容、メタボ症状改善
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