第5セッション
演題 3
小学校との連携による学童期の食育の取り組みについて
発表者 ○渋谷玲華
(沼田町役場住民生活課)
【目的】近年、小児肥満症の懸念等から改めて食育の必要性が唱えられ、地域実情に応じた一貫した取組みが必要と考えられる。沼田町では保健事業を中心に子ども達に関わる場面は多いが、学童期には極端に減り実態もつかめない現状であった。今回、生活環境の幅が広がる学童期への働きかけを進め土台作りを行うため、地域(食生活改善協議会)、教育機関 、行政が連携した取組みを行ったので、その事例を報告する。【概要】5年生から開始する家庭科の食分野を管理栄養士が担当し授業を実施した。児童を対象に実施した5日分の食事日記からは、朝食内容が乏しく大半がパンやご飯にウインナー、パンにオレンジジュース等と野菜の献立が入らないような食べ合わせが多く見られた。さらに各学年に数人の朝食欠食者も見受けられるが、学校としては具体的働きかけが困難な現状のようであった。これら授業から家庭の食実態も垣間見られ、学校や家庭を巻込む一体的取組みの必要性を感じた。【内容】平成17年から4年間、小学校と連携し"食べること"について学ぶ家庭科に焦点をあて5・6年生を対象に担任とのチームティーチング方式で授業を実施した。教科書を基本としながらも媒体を多用し地域組織も巻込んだ構成として指導案作成段階から全面的に関わった。【結果】小学校、地域、行政の課題のすり合わせから実施した取組みであったが、課題や目標の共有も出来ていたため目指す方向性が明確で継続事業へ繋がったと考えられる。授業を通して家庭での食生活を垣間見る機会となったが、家庭での食教育の必要性が学校との評価より見い出され、今後は"家庭教育・親教育"がキーワードとも考えられる。媒体を多用し地域組織を巻き込んでの実践型授業展開は、児童自ら考え追求する食への関心に繋がったと考えられ、今後も町の特性を活かし身近な資源を有効活用しながら、自立した食生活形成を見据えた指導体制の確立を目指したい。
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