第4セッション
演題 2
医師から紹介のあった個別相談の事例について
発表者 ○土井暢子1)、三山弘1)、広田龍子1)、 槌本浩司2)
( 妹背牛町住民課健康福祉グループ1)、北海道空知保健福祉事務所滝川地域保健部2)
【目的】糖尿病になった住民が合併症、食事の必要摂取量、運動の必要性を理解する。
【対象と方法】予約制による成人の個別指導(延べ数119件/19年度)のうち、医師から糖尿病食事指導の紹介があった者で、60歳以上を除外した相談事例(1例)を報告する。対象者は46歳女性、相談を平成18年9月に開始し現在も継続中である。経過は、風邪で病院を受診したところ、血糖値213mg/dl、HbA1c 6.3%、同日に相談を開始した。相談時に毎回体重を計測し、食事と体重のことについて相互理解を行うことにより、対象者が主体的に食生活の問題点に気づけるよう留意した。なかでも(1)摂取エネルギー(2)栄養のバランス(3)運動の3項目を中心に行っている。又、食事の振り返りが出来るよう、食事記録表を記載していただき、一緒に摂取エネルギーを計算し、医師からの糖尿病食品交換表に基づく指示単位などと比較しながら食事内容の過不足について、本人の気づきが出来るように促がしたり、ときには相手から言葉が出てくるまで待つよう留意した。
【結果及び考察】対象者は食生活の改善と運動を続け3ヵ月後にはHbA1c 5.5%となった。
 対象者の家族構成は夫と男の子3人のため揚げ物が週に3〜5回・野菜が少なく、間食が多いことがわかった。家族の協力もあり、初回から2年が経過した現在ではHbA1c 5.5%を維持し、体重は5.0kg減となった。家族が病気になることで家庭の食生活の見直しが出来、改善された事はとても重要である。報告は1事例ではあるが、医療と保健が連携し、疾病をかかえた住民に対しても地域における保健指導の必要性が感じられた。又、個別指導では無く行動変容への支援、いわゆる「気づき」が出来るように個別相談をしていくことが大切であると感じられた。
第4セッション演題1へ 第4セッション演題3へ