第3セッション
演題 3
生活習慣病予防〜メタボ改善プログラム
「ヘルスアップ12」を試行して
発表者 ○直原敏美1)、森優紀子2)、佐藤香澄3)、鈴木友美4)
(陸上自衛隊島松駐屯地1)、安平駐屯地2)、幌別駐屯地3)、白老駐屯地4)
【目的】陸上自衛隊北部方面隊において35歳以上に実施された生活習慣病検診によるメタボリックシンドロームの該当者は、平成19年度約12%であった。今回我々は、入隊時正常であった隊員が40歳になった時に特定健康診査・特定保健指導の対象者へと移行しないように、各駐屯地に1名しか配置されていない栄養担当官が共通ツールを使用し、同じ認識で具体的に隊員個人へ介入する改善方法の一例として、12週間をサイクルとした「ヘルスアップ12」を考案し、試行したのでその事例を報告する。【方法】34〜51歳の男性隊員5名を対象者とし1、独自に考案した健康意識調査・食生活調査の実施。2、身体歴・生活習慣病検診から身体及び医学的検査結果を収集。3、個人面談により具体的な実践目標の設定。4、万歩計及び記録表(体重・体脂肪・歩数・目標評価)配布。5、定期的な面談において改善のための情報提供と記録表チェック。6、12週間後身体・医学的検査結果、実践目標達成度により評価。【結果】1、被験者全員の体重が体重あたり0.5~11.7%減量した。2、被験者全員の体脂肪が1.4~5.8%、腹囲が1.5~8.0cm減した。3、医学的検査で異常があった2名の被験者にやや改善があった。4、実践目標達成度は平均70%であった。【考察】成果を出すことができた要因として、事前の調査を定型化し目標達成のための動機付けを明確にしたこと、被験者の選定を積極的に希望する身近な隊員としたためコミュニケーションの確立が容易であったこと、継続できる内容で実践目標を設定しやりがいを持たせたこと、万歩計で数値を把握し記録することで励みになったことなどが考えられる。一方、食生活以外の運動消費量診断やストレス対応などに関しては不十分な対応となり、継続する意欲の低下に繋がる等、各専門職種を加えた総合的なプログラムの構築が必要だと考えられた。
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