第3セッション
演題 2
より具体的な食事指導をめざすIBD料理講習会
―患者会と共同で実施する継続した取り組みー
発表者 ○出村富美恵 松田環季 峯岸夕紀子 東 貴代 吉田典代
(北海道IBD食・食事療法研究会)
 【はじめに】北海道IBD食・食事療法研究会では、本会事業の1つとして北海道IBD患者会と共同で料理講習会を1回/年実施している。今回は、その内容と今後の有効な食事指導を実施する為、講習会終了後のアンケート調査から患者の意見や要望を集約したので報告する。【対象者】北海道IBD患者会の会員(患者とその家族)【方法】平成13年から継続して8年間実施。患者会会員への案内や会場決定、食材の準備は患者会が、レシピ作成と指導は本会の会員が担当し、開催に至るまではお互いの担当者がメールで調整している。毎回、患者さまの要望を取り入れた料理を4〜5品紹介し、調理後の試食の時間には余裕をもたせている。【結果】1、参加者は毎回25〜30名。2、意見は(1)新しい食品や料理の紹介が良い。(2)講習会に楽しく参加できた。(3)制限の中にも食材を生かす方法や工夫がみえてよかった。(4)実習すると「やってみよう」という気になった。(5)多くの同病者と会話でき大変心強く感じた。(6)栄養士の話が参考になった。3、要望は(1)料理レパートリーの拡大。(2)要望の多い料理はラーメン・カレーライス・ピザ等。(3)簡単にできる料理紹介。(4)油の使い方の指導。(5)講習会開催回数の増加。(6)料理本の作成。【考察】毎回、新規参加者が多いことや実施した講習会レシピを患者会の機関紙に掲載しているなど講習会に対する期待の高さがわかった。本会は、要望の多い料理に関してのレシピ作りに力を入れている。制限食であっても調理や食材選択の工夫などでレシピの拡大を指導することが患者ニーズにつながる事、又、講習会が患者同士、あるいは患者と栄養士のコミュニケーションの大切な場であることもわかった。今後もより具体的な指導の機会を設け、より患者ニーズにそった勉強会の開催と同時に総合的な患者QOL向上に寄与できる活動を実施していきたい。
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