第9セッション
演題 1
女子大学生の食事と生活習慣から見る腸内環境
─ポピュレーションアプローチに向けて─
発表者 ○小野昭子
(国際大学短期大学部幼児教育)
【目的】家庭での食文化の継承が難しくなったといわれて久しい。家族の考え方そのものが変化し、家庭で作る季節ごとの行事食への認識は、我々栄養士の想像を超えていると強く感じる。また、若い男性の肥満と若い女性のやせは、国を揺るがす大問題であるのは周知のとおりである。若い女性に増えている排便困難は食生活や生活習慣と密接な関係にあると思われる。今回は腸内環境に着目し、調査した。これから母となり、日本を担うであろう女子学生の食事・生活習慣を知ることにより、どの様なポピュレーションアプローチができるのか検証したい。【方法】18〜19歳女子を対象に腸内環境を知る手立てとして、食事、生活習慣、トイレに関してのアンケート調査を実施した。過去の成績についても比較した。【結果】配布136人・93%の126人から回答を得た。8割を越す学生が何らかの便のトラブルを抱える。3割を超える学生がゆるいことがあると答えており、一方で、便が硬くていきまないと排便できず、残便感も約2割であった。食に関しての回答からは朝忙しく、食事時間は決まっていないとの回答が3割以上。また、野菜不足と感じている、肉が好きであると答えたのもやはり3割である。生活習慣でも、3割の学生が肌荒れを気にし、運動不足と感じている。運動不足と感じている学制は排便困難の数も多い。【考察】今回の調査から3人に1人の学生が、いくつもの排便困難を抱えている様子が伺える。朝あわただしく、生活も不規則が大きな要因である。4割強の学生はトイレ時間が決まっていないことからも、生活習慣の重要性を伝える必要がある。食に関しては予想どおり野菜不足で、肉を好む傾向がある。しかし、最近の若者の食事は我々栄養士の常識を超えた部分も垣間見える。若者、特に母となる若い女性の啓蒙にはより多くの資源投入が必要であろう。
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