第8セッション
演題 3
成人のダイエット志向と栄養成分表示の利用に関するアンケート調査
第2報
発表者 ○長原冴子1)、佐藤弘枝2)、荻原弥生3)、植村亮4)、中村秀恒5)、廣島孝6)
(静内保健所1)、帯広保健所2)、網走保健所3)、釧路保健所4)、紋別保健所5)、留萌保健所6)
【目的】調査研究全体の目的及び方法については、第1報で述べたとおりであるが、第2報では、調査から得られたデータを基に栄養成分表示利用状況をはじめとする保健行動の実態と、ダイエット志向の有無との関連を調べた結果、一定の示唆が得られたため報告する。【方法】第1報で述べた調査結果を基に、栄養成分表示の利用、運動習慣の有無等の保健行動の実態について検討し、更に自分の体型への満足度により「満足」である者と「やせたい」者とに分け、χ二乗検定により保健行動との関連を調べた。【結果】外食(市販の弁当等も含む)の利用頻度は「多い」及び「普通」と認識している者が合わせて52.1%で男女による差はないが、若い年代ほど外食頻度が多くなる傾向にあった(p=0.034<0.05)。全体の87.5%が「栄養成分表示を見たことがある」と回答したが、「食品選びの参考にする」としたのはそのうち67.0%で、男性より女性が有意に高かった(p=0.021<0.05)。運動習慣のある者は全体の25%であり、年代・性別には関連がなかった。運動習慣と栄養成分表示の利用状況との関連では、運動習慣のある者はない者に比べ表示を参考にする割合が高かった(p=0.026<0.05)。実際のBMI区分及び自分の体型の満足度と、外食利用頻度、栄養成分表示の利用、運動習慣との関連を調べたが、いずれも関連はなかった。【考察】「やせたい」と思う者とそうでない者の実際の行動には差はなく、行動変容への動機は低い状態で「ダイエット志向」が存在すると考えられる。そのため栄養成分表示は多くの者が目にしているものの活用されているとはいえず、外食の利用が日常となっている今日においては、栄養成分表示の利用方法について一層の普及・啓発が必要であり、食事と運動の両面から、具体的で多様、かつ正確な情報提供が望まれる。
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