第8セッション
演題 2
成人のダイエット志向と栄養成分表示の利用に関するアンケート調査
第1報
発表者 ○佐藤弘枝1)、長原冴子2)、荻原弥生3)、植村亮4)、中村秀恒5)、廣島孝6)
(帯広保健所1)、静内保健所2)、網走保健所3)、釧路保健所4)、紋別保健所5)、留萌保健所6)
【目的】 成人のダイエット志向の現状を「やせるメリット」に着目して調査し、更に栄養成分表示の利用状況等個人の属性によって分析を行うことにより、対象者の特性に合わせた保健指導のあり方や食環境整備の必要性について検討するための基礎的なデータを得ることを目的とする。【方法】北海道庁保健福祉系部署勤務の20代から50代までの職員154人に質問紙を配布し、有効回答数96件(有効回答回収率61.7%)を得た。調査項目は、基本属性、栄養成分表示の利用状況、自分の体型の満足度等5項目に分けて設定した。自分の体型の満足度において「やせたい」と回答した者に対しては更に「やせるメリット」について6項目設定し、それぞれに「かなり重要」から「あまり重要でない」まで5段階の順位尺度で質問した。【結果】有効回答者のBMIを身長・体重の自己申告から計算したところ、やせ9.4%、標準69.8%、肥満16.7%であった。自分の体型への満足度において、肥満の93.8%はやせたいと回答し、標準・やせよりもダイエット志向が高い(p=0.0009<0.01)が、標準であっても62.7%がやせたいと回答した。減量希望キロ数から計算した「なりたいBMI」と「実際のBMI」の差は平均1.81、相関係数は0.89、減量希望キロ数の平均は5.2Kgであった。「やせるメリット」6項目の回答結果を因子分析した結果、「健康志向因子」と「審美志向因子」の2因子が抽出され、それぞれの因子の推計値を基にt検定により分析した結果、男性は「審美よりも健康」(p=0.03<0.05)、女性は「健康よりも審美」(p=0.002<0.01)を重要と考えている者が多いことが明らかになった。【考察】実際のBMIが標準でも半数以上にダイエット志向があり、「やせるメリット」は男女により明確な差があることが明らかとなった。やせることが必要な対象への行動変容のためには具体的で個別性のある目標や評価指標を示す必要があり、その際は「やせるメリット」に着目する必要があることが示唆されたと考える。
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