第8セッション
演題 1
芽室町栄養基礎調査から明らかになった健康課題について
発表者 ○橋本 淳子1)、今田 由子2)、和田 聖一3)
(芽室町保健福祉センター1)、帯広保健所2)、室蘭保健所3)
【目的】町民の身体の状況、栄養素等摂取量及び生活習慣の状況を具体的に把握することがより有効な健康施策の推進に繋がることから今回初めて栄養基礎調査を実施した。その結果、当町として早急に取り組むべき幾つかの健康課題等が明らかとなったので報告する。
【方法】満1歳以上の町民を対象とし、身体状況、栄養摂取状況(秤量記入)、生活習慣(留め置き法による自記式質問紙調査)について3つの調査票を用い、結果については男女別、年齢別及び地域別に分析した。【結果】(1)脂肪からのエネルギー摂取割合は男性25.9%、女性26.4%で、成人の適正比率である25%を超えていた。(2)肥満(BMI25以上)は33.2%で全体の3割を超えていた。(3)30歳代男性のBMI平均値は特に高く、また運動習慣の有る人は他のどの年代よりも低かった。(4)たんぱく質はRDAを大きく上回っていた。(5)ビタミン類はRDAを充足していた。(6)食塩はほとんどの年代で摂りすぎていた。(7)喫煙習慣や飲酒習慣は全国平均を下回り、平均歩行数は上回っていた。(8)欠食は20〜30歳代に多く、女性より男性に多かった。(9)男性よりも女性のほうが不安、悩み、ストレスを感じ睡眠時間も少なく、健康状態も良くないと思っている人が多かった。特に農村地区の女性は睡眠での休養があまりとれていないと感じている人が多かった。(10)女性は男性よりも歯を磨く回数は多いものの早くに歯を失う傾向があり、20歳代ではカルシウム摂取量が他の年代より大幅に下回っていた。【考察】今回の栄養調査により、町民の「健康習慣」と「健康課題」の両面が明確となった。健康習慣については、健康講座等を通じ好ましいものは継続を支援し健康づくりへの意欲向上につなげることが大切であり、健康課題については、とりわけ働き盛りの年代へのアプローチが急務である。さらに、調査から得た情報の十分な活用について今後とも検討していきたい。
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