第7セッション
演題 3
給食調理における非加熱調理食品の衛生管理について
―次亜塩素酸ナトリウムと強酸性水との比較―
発表者 ○山部秀子、長谷川めぐみ、岡部哲子
(天使大学看護栄養学部栄養学科)
【目的】大量調理衛生管理マニュアルでは野菜や果物などの非加熱調理食品は、必要に応じて次亜塩素酸ナトリウム等での殺菌を指示している。しかし、大量調理の現場でレタスやキャベツ、トマトなどをこの方法で殺菌消毒しても、一般生菌、大腸菌群ともに細菌数は減るものの安全であるとの確証を得るまでには至らないのが現状である。また次亜塩素酸ナトリウムは食品ではないことから特に学校給食などにおいて拒否反応があるのも否めない。これらのことから最近は多くの殺菌消毒方法が示されるようになり、各施設によって様々な方法が試されている。そこで今回、食塩水から簡単に生成できる強酸性電解水による殺菌効果を給食の大量調理の現場において検査し、次亜塩素酸ナトリウムによる殺菌方法との細菌検査結果の比較検討を行った。
【方法】100食の給食を提供することを想定し、非加熱調理食品として利用されることの多いレタス、キャベツ、トマトをそれぞれ給食用に下処理、洗浄し、その後、次亜塩素酸ナトリウムと強酸性電解水で殺菌消毒を行った。洗浄方法は大量調理施設衛生管理マニュアルの基準を遵守した。これらを試料として一般生菌、大腸菌群について簡易法及び公定法で検査を行い比較した。
【結果】細菌検査方法は、簡易法はフードスタンプを利用し、公定法は食品衛生検査指針に準拠した検査法を用いた。両方法とも洗浄のみに比べて細菌数は減少していた。弁当及び惣菜の衛生規範では、サラダ 生野菜等の未加熱処理のものは、検体1gにつき一般生菌が1.000.000以下であることと定めている。しかし給食施設の喫食対象者には傷病者や高齢者、乳幼児など抵抗力の弱い者も多いことから、より一層安全性の高い殺菌消毒法が望まれる。
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