第6セッション
演題 3
クレモリス菌ヨーグルト摂取による整腸作用と肌水分への影響
発表者 ○楠木 伊津美1)、藤原 梨絵1)、山内 さとみ1)、渡邊 優貴1)
齋藤 康雄2)、 傳法 公麿1)、池田 隆幸1)
(藤女子大学 人間生活学部 食物栄養学科1)、グリコ乳業(株) 中央研究所 研究開発部2)
【目的】 女子学生を対象に、独特の粘り気を出すクレモリス菌ヨーグルトを摂取させ、排便状況、肌水分量について調べ、その機能性を検討した。
【試験方法】 対象は、便秘傾向(排便日数が週に5日以下)で、乾燥肌を自覚する健常な女子学生(20歳〜23歳)のボランティア45名とした。8週間の試験期間で、観察期、摂取期1、非摂取期、摂取期2の4期間(各2週間ずつ)に分け、対象を2群とし、二重盲検比較試験で行った。試験食は、「おいしいカスピ海(グリコ乳業(株))」を摂取期1または摂取期2で、1日に100g摂取させ、対照食は、試験食の原料から菌を除き、乳酸で風味調整したものを、試験食同様、1日に100gを摂取期2または摂取期1で摂取させた。全試験期間では、発酵乳、乳酸菌飲料等やそれらを含む食品、サプリメント、オリゴ糖、発酵食品や、整腸剤・胃腸薬などを控えさせた以外は、食事制限は行わなかった。排便状況は、排便に関する毎日のアンケートにより調査した。肌水分は、頬、額、下腿、腕の4箇所を肌水分計(National製DM-R2)を用いて、就寝前、入浴後に計測した。
【結果】 試験期間において食事調査を行ったが、各期間における栄養素摂取量には、有意差は見られず、各期間で偏りは見られなかった。 排便状況は、排便回数(回/週)は、観察期間4.5±1.8回/週に対して試験食摂取期間で5.8±2.4回/週、排便日数(日/週)は、観察期間3.9±1.3日/週に対して試験食摂取期間で4.8±1.4日/週、排便量(個*/週)は、観察期間7.8±4.0個/週に対して試験食摂取期間で11.0±6.1個/週と、それぞれ有意に増加した(*:鶏卵Mサイズを1個とみなした量)。 肌水分量は、下腿以外の部位で、対照食摂取期間に比べ、試験食摂取期間で増加傾向が見られた。以上から、クレモリス菌ヨーグルトを食べることで排便回数が増加し、便秘が改善することが明らかとなり、またその2次的効果として、肌水分が上昇する可能性が示唆された。
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