第7セッション
演題 1
食事摂取基準改定による約束食事箋変更後の当施設の評価
発表者 ○荒井幸江1)、氏家志乃2)
(介護老人保健施設 北星館1)、医療法人社団いずみ会 北星病院2)
【目的】当施設は病院と併設されている介護老人保健施設であり、病院と同一厨房であるため、病院食と同様の食事提供を行っている。栄養ケアマネジメント導入、2005年に日本人の食事摂取基準が改定、病院ではNST、栄養実施加算の実施に伴い病態別栄養管理から成分栄養管理による約束食事箋に変更した。今回変更1年経過後の評価を目的とし、施設利用者の食事調査及び栄養・給食管理面、医療安全面の調査を行った。【方法】1.食事箋変更前後の利用者食事調査結果の比較2.利用者個人の必要エネルギー量と提供エネルギー量の比較3.厨房スタッフ及び給食管理栄養士に作業内容の変化についてアンケート調査4.約束食事箋変更前後の医療安全の評価を行った。【結果】1.常食が1種から5種に変更したことにより、必要エネルギー量に見合った食事を提供できるようになったが、食事調査の回答では"丁度よい"よりも"少ない"との回答が増加傾向にあった。理解度については食事制限のある利用者で"理解している"との回答は5割であった。2.必要エネルギーと提供エネルギーの比較では提供量が必要量よりも平均で変更前が40%程度、変更後は15%程度上回る結果となった。3.作業内容については食種が18種から65種に増加し、詳細化したことにより献立立案の整備、調理員の食種に対する理解に時間を要する結果となった。4.医療安全面では変更前後の2ヶ月でインシデント件数に変化は見られなかった。【考察・結論】1.食事の量的な面で着目すると、変更後個人の必要な栄養素量に見合った食事を提供すること可能となった。2.病院と併設されている特徴を活かした食事提供を行えている が、食種理解の調査結果では半数は理解できていない結果となったため、今後栄養教育実施の必要性が明らかとなった。3.作業面では安定するまで時間が要すると考えられるため、栄養管理側の栄養士も関わり互いに知識や理解を深めていく必要がある。
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