第10セッション
演題 1
管理栄養士過程の大学生における健康行動理論を用いた
栄養教育の検討
発表者 ○北村文恵、○西口明佳、小檜山佳正、高橋一郎、鈴木純子
(北海道文教大学人間科学部健康栄養学科)
【目的】管理栄養士課程の大学生を対象とし、食習慣と生活習慣の実際と健康行動理論の1つである健康変容段階尺度を調べ、各段階別アプローチによる3ヶ月間の栄養教育が有効であるかを検討する。【方法】対象者を介入群16名(平均年齢20.7±0.6〔SD〕歳、女性16名)、対照群12名(平均年齢20.3±0.6〔SD〕歳、女性12名)とし、行動変容段階尺度、食物摂取頻度調査、健康習慣指数、身体計測の調査を行い、食物摂取頻度調査の結果を返却した。3か月後に同じ調査を行った。この間介入群には、食物摂取頻度調査の結果から過剰・不足が見られた栄養素をテーマに、1回30分計5回の簡易な集団教育を行った。また、初回に自身で達成可能な目標を立てさせた。この他に、行動変容段階別に1回のグループワークと3回の携帯電話のメールでの介入を行った。【結果】介入後、介入群では健康変容段階尺度が3ヵ月後に行動期に移行している者が多く、有意(p<0.01)な改善がみられた。対照群では、有意な変化は見られなかった。食物摂取頻度調査の結果、エネルギーと各栄養素に有意な差はみられなかった。また、森本の健康指数においても有意な差はみられなかった。【考察】対照群と比べ介入群では、健康行動理論を用いた3ヶ月間の栄養教育を行うことにより、行動変容段階尺度が行動期に移行する者が多かった。このことから、大学生における比較的簡易な集団指導と携帯電話のメールによる介入は、食習慣に対する意識を改善すると考えられた。しかし、過剰や不足がみられた栄養素については改善がみられなかったことから、3ヶ月間の介入期間では、実際の食生活を改善するには不足であったと考える。このことより、意識だけではなく食生活の改善は、より長期間の栄養教育を行うことが効果的であると予想された。
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