第5セッション
演題 3
栄養管理実施加算導入後の病棟別栄養評価報告と課題
発表者 ○衣斐 美稚子、澤岡 清美、山口 朋美、高橋 とわ子、岩本 匡古
(王子総合病院 栄養管理科)
【はじめに】平成18年度診療報酬の改定において栄養管理実施加算が新設され2年目と なった。当院での入院患者の栄養評価、必要に応じた栄養ケアの提供と今後の課題について報告する。【方法】(1)平成19年4月〜6月に作成した288枚の栄養管理計画書より、入院時と退院時の栄養状態の変化を調査した。(2)平成18年8月〜平成19年4月に作成した 430枚の外科・心臓血管外科の栄養管理計画書より栄養状態の変化を調査した。【結果】(1) 入院時のTP(総タンパクg/dl)は7台で退院時のTPは6台だった。(2)入院時のTP6以下は 188人(43.7%)、退院時のTP6以下は242人(63.5%),退院時低栄養と評価した患者は20%だった。5名のPNI(予後判定栄養指数)を算出し、入院時栄養状態と相関がみられた。 【考察】栄養管理実施加算の導入により管理栄養士は臨床栄養業務が行い易い環境となった。しかし院内スタッフには管理栄養士が具体的に何をやっているのか理解されていないと感じている。又、5名のPNI(予後判定栄養指数)を通してその意義と栄養管理の大切さを感じた。この度の報告は平成19年7月、NST委員会で発表したもので、書式の不統一・統計分析の知識不足など痛感した。しかし、何かを行はなければこの事すら気付けなかったと思う。【今後の課題】管理栄養士の栄養管理技術の向上を図り、役割りを明確にしつつ、栄養ケアが必要な患者へ速やかに介入を行うため、*1院内全体での共同した栄養管理の実現。*2入院患者への適切な食事の提供(嚥下食・がん治療食・塩分制限による食欲低下への対応)*3低栄養で退院した患者の外来栄養指導の確立などがある。
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