第5セッション
演題 2
栄養管理システムの有効性
発表者 ○長谷川未沙1)、大塚真奈1)、八木麻有子1)、斉藤加奈子1)
斉當 学2)、大沼洋則2)、岡田誠志2)
(手稲渓仁会病院  栄養部1)  システム開発課2)
【目的】当院は547床、在日数11.4日、DPC対象病院である。平成18年診療報酬改訂に伴う栄養管理実施加算を品質の標準化及び4名の管理栄養士で全入院患者に対応するための体制を構築するために、当院システム開発課の協力のもと、独自の栄養管理システムを開発し展開を行ったので報告する。【方法】当院の栄養指導・栄養管理業務は、POS(問題解決思考システム)を基盤とし、栄養ケアマネジメントツールによって展開されている。栄養管理システムは患者情報を電子カルテと連動し、病棟別栄養管理リストに患者毎の栄養管理過程状態を表示することで、栄養管理漏れを防止する仕組みとした。栄養管理過程は(1)スクリーニング(2)データベース(3)計画書(4)経過記録(5)サマリで構成されており、それぞれの過程において、電子カルテとのリンクにより必要情報の共有化及び計算の自動化で、業務時間の短縮を図った。また、項目ごとにマスター設定をすることで、栄養士間の視点の差異を軽減した。【結果】(1)全入院患者に漏れなく栄養管理が実施でき経済効果及び医療の質向上に繋がった(2)栄養スクリーニング結果及び今後の栄養管理方針が診療録に転記することで、医師の栄養管理に対する意識の向上となった(3)院内統合システムにより、他職種が栄養管理記録の閲覧ができ情報の共有ができる(4)統計機能による、院内全体の栄養調査が可能になった(5)管理栄養士の残業時間が約50時間/月から20時間前後/月に減少した。(6)ペーパーレス及び記録保管場所の軽減になった。【考察】栄養管理過程のシステム化により、業務の安定化及び迅速化が図られたが、個々の患者の病状、治療方針、治療過程を踏まえた上で、短期入院の条件下で最も必要な栄養管理計画を立案し、実践できる管理栄養士のスキルアップが、今後、最も重要な課題となる。
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