第2セッション
演題 3
当院における睡眠時無呼吸症候群(SAS)パスの取り組みについて
発表者 ○青木聖恵、寺山里恵、森多喜子、
野口枝美、田原由美、小泉絵理
(JA北海道厚生連 帯広厚生病院栄養科)
【目的】われわれは、人生の約1/3の時間を寝て過ごす。しかし、医学の面では、これまで日中覚醒時の疾患の病態、診断、治療を中心に行われており、睡眠中の病態に注意が向けられるようになったのはごく最近である。肥満者の上気道は、脂肪や軟部組織の発達により普段から狭くなっており、睡眠時無呼吸症候群(以下SAS)の重要なリスクファクターの一つとして、肥満が関係している。そこで当院ではSASパスに栄養指導を組み込み行っている。これまでの活動と今後の方向性を述べたい。【活動の実際】当院では平成16年6月栄養管理委員会が開かれた際に呼吸器内科医師より、SASパスに栄養指導を組み込むことが提案された。その後、医師及び病棟看護師とパスの内容を検討し、平成16年7月より開始した。開始時から平成19年7月まで栄養指導総数は94件となっている。【結果】SAS入院患者様の男女構成比率は男性が9割を占め、SAS症状以外にも一つの疾病だけではなく、幾つか合併症を患っている人が多かった。抱える疾病には、高血圧、高脂血症、高度肥満等の生活習慣病と深く関係しているものが特に多く、さらにBMI30未満の肥満を合わせると、約8割の患者様が肥満という結果となった。改善意識の低い患者様も多く、入院中に動機付けが出来ず改善に至らないケースも多く見られた。【考察】SAS患者様へ生活習慣病を含め、特に男性対して、肥満を重視した食生活の指導を行うことが重要と思われる。また、食生活を重要視されない患者様には、問題点を踏まえ自覚を促すような栄養指導を行うことが必要と思われた。さらに、外来栄養指導へつなげ予防・改善を図る必要性を感じた。【まとめ】改善を促すためには、SAS患者様の特徴及び生活習慣を考慮し、継続した働きかけが必要である。今後SAS患者様に関わる上で、栄養士として重要なポイントとしていきたい。
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