第3セッション
演題 1
幼少期からの食行動と青年期の性格との関連
発表者 ○梅澤敦子1)、佐藤亜沙美2)、木谷信子3)、長谷川めぐみ3)、古崎和代3)
(北海道文教大学1)、株式会社レオック北日本2)、天使大学3)
【目的】近年ライフスタイルの変化により、食生活の乱れが目立ち、生活習慣病などが問題になっている。しかし、食生活改善を試みようとしても、幼少期から培ってきた食生活を変えることはなかなか難しいのが現状である。その背景には、個人の性格や、食事に対する意識などがあると考えられる。性格とは、「ある一定の期間にわたって、種々の状況を通じて一貫して現れる人間の行動様式」と定義されている。本研究では、人間が生きる上での一つの習慣である食事を通して幼少期から培われてきた食生活と、青年期の性格との間に関連があるか調査することを目的とした。【方法】本研究の趣旨に同意の得られた札幌市内の大学、看護学校の学生399名を対象に、1)プロフィールに関する調査、2)性格と行動に関する調査、3)食生活に関する調査を無記名自記式のアンケートで行った。性格と行動に関する調査には、クレッチマーの性格類型テストを使用した。また、食生活に関する調査は、5つのカテゴリーに分けて行った。双方とも点数化して集計後、性格と行動に関する調査と食生活に関する調査との独立性についてのχ2検定を行った。【結果】χ2検定の結果、食生活と性格に有意な関連がみられた。食生活の5カテゴリーと性格類型35項目において、「食習慣」には4項目、「食事内容」には6項目、「しつけ」には3項目、「食事環境」には10項目、「食事に対する考え」には10項目の関連が認められた。【考察】今回の結果から、個人の人格形成には遺伝的素質に加えて、人の生活行動の大きな部分を占める食行動が関わっていると考えられる。また、その中でも、食習慣や食事内容といった食事の内容そのものよりも、食事環境や食事に対する考えといった内面に関係する部分が大きく影響していることが示唆された。今後はさらに解析を行い、食生活と性格との因果関係を深く検討していきたい。
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