第9セッション
演題 4
クックチルシステムに於ける冷却・保管のオペレーション
方法別コスト比較
発表者 ○高平道子1)、宍戸里奈1)、和泉由佳理1)、福井晶子1)、佐竹麻実2)、平泉幸子3)
((株)ブライアンブルー1)、宮の森記念病院2)、(有)ニュートリションウィング3)
【目的】 クックチルシステムは現代社会のフードサービスに必要不可欠なシステムであり冷却方法が空冷(ブラストチラー)と水冷(パックチルシステム)に大別されているのは熟知のことである。当院では冷却方法をブラストチラーとパックチルシステムの併用、以下(当院使用実績)を用いているがブラストチラーのみで行った場合、以下(仮説)についてのチルド庫の占有面積・ホテルパンの使用枚数・冷却コスト・人件費等のランニングコストを比較した。更に、この2方法によるイニシャルコストも検討したので報告する。
【方法】 当院使用実績 2006年7月10日〜7月23日の2週間の実施献立(常食・治療食・外来透析食・デイケア食)に基づき、仮説を想定した。仮説での使用機器の選択は各メーカー指導のもと算定した。
【結果】 クックチル調理アイテムの作業日は主として4日/週の為、1日の調理アイテム数は7〜11で当院のブラスト対パックチルシステムの比率は4対6であった。ブラストチラー平均使用時間の最高は当院実績で6時間、仮説では19時間となり1日の作業時間を超過する。保管時のチルド庫占有面積は当院実績では100%、仮説では120%と容量が不足であり、この容量不足は使用するホテルパンの枚数によっても実証され、当院実績24枚に対し、仮説では53枚/日の2.2倍である。水・光熱費では当院実績6600円、仮説4300円/月(当院栄養科での水・光熱費に対する1%前後)であるが、冷却を迅速に行う(当院実績)ことにより生産性は高まり4日/週の作業が可能となり、人件費は10万円/月の減となる。またイニシャルコストに於いての差異はなかった。
【考察】 2つの冷却方法を併用することは生産性を高めランニングコストの軽減に大きく寄与する。確実なハードシステムの構築こそが栄養科の管理運営の要となる。
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