第10セッション
演題 1
特定給食施設における
スチームコンベクションオーブンの活用
発表者 ○中山朋江、田中律子
(北海道文教大学人間科学部健康栄養学科)
【目的】特定給食施設では、品質管理が最も重要視されている。その中でも病院は、対象者が幅広く、治療食への対応がある為、食事に対する安全性及び効率的な作業管理が求められている。効率的に行うにあたって、調理の標準化を可能とする調理機器の活用が重要となる。スチームコンベクションオーブン(以下、スチコンと略す)は、スチーム機能が付加されていることが特徴であり、様々な調理方法に活用でき、正確な温度管理が徹底されているので、HACCP対応に適している。そこで、スチコンの活用の実態を把握すると同時に、スチコン機能の多様化に対応する活用方法について検討を行った。【対象・方法】北海道の約100床以上の内科病院199ヶ所を対象とし、スチコンの普及状況や活用方法などの実態調査を行った。調査は、平成18年5月14日から7月4日にかけて実施した。有効回答率は60%(127ヶ所)であった。また、従来の調理方法を用いた料理と今回実際にスチコンで調理した料理を比較し、調理時間や方法などの利便性を検討した。【結果】調査結果より、スチコンの普及率は52%であることがわかった。導入効果(複数回答)としては、調理時間が短縮 72%、調理方法の多様化 58%の順に多かった。主な調理方法(複数回答)は、焼く 81%、蒸す 50%が多く、煮る・茹でる・その他の調理方法は少なかった。今後期待する効果(複数回答)は、メニューのバリエーションの豊富 58%、調理時間の平準化 52%の順であった。【考察】主な調理方法の活用において、スチコン機能を有効的に使いこなすことができず、基本操作のみを活用しているのではないかと考えられる。スチコンを活用する上で、その機能を利用して様々な料理に対応できるということを提案し、今後期待する効果へつなげていけるのではないかと考察した。
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