第9セッション
演題 3
クックチルシステムに於ける生産(加熱・冷却・保管)の
オペレーション
発表者 ○福井晶子1)、宍戸里奈1)、高平道子1)、和泉由佳理1)、佐竹麻実2)、平泉幸子3)
((株)ブライアンブルー1)、宮の森記念病院2)、(有)ニュートリションウィング3)
【目的】クックチルシステムが簡便に「前倒し調理」と表現されているが、いかに生産性を高め保管アイテム数を多く蓄積できるかが最大の課題である。その実現には施設の特徴を把握しアイテム数/日/週を捉えて、生産から提供迄が効率よく循環され得る、加熱・冷却・保管・提供のハードシステムの構築が基本となるが当院の使用実績を基に報告する。
【対象と方法】 クックチルシステム個別再加熱方式導入の2006年3月〜9月迄、7ケ月間の常食・治療食・外来透析食・デイケア食の当院使用実績による。
【結果】 @加熱・スチームコンベクション2台・・・総加熱アイテム数の平均はクックチル作業日で27/日であり、このうちスチコン使用は60%を占める。使用時間は平均5時間を要し、更にクックサーブが加算され、モードも異なるため2台が必要である。
A冷却・ブラストチラーとパックチルシステムの併用・・集中的に加熱調理を行っても迅速な冷却が可能であり、チルド庫の占有面積及びホテルパンの使用枚数の減となる。
B保管・チルド庫1台・・・平均保管アイテム数は14/日で、週末は19と増加するが、平均で再加熱カート使用アイテムの約3〜4日間分を保管する。
C提供・IH再加熱カート5台・・・熱風加熱方式に比し調理場の床面積(u)の生産性が高く、また再加熱カート内でチルド保管・再加熱と徹底した温度管理で提供のため安全性の確保と患者満足度の向上に貢献。また翌朝食のトレイメイクを先付けにより前日に完了、よって朝食の作業は主食・汁の後付けのみとなり稼働時間は朝・夕共に1時間の短縮が可能となり労働時間・労務内容・労働衛生の改善に大きく寄与した。
【考察】確実なハードシステムの構築はイニシャルコスト・ランニングコストに於いて確実な成果が得られる。これらを構築し管理、運営にあたることは、栄養士のキャリアディベロップメントに繋がる最強の策と考える。
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