第8セッション
演題 4
血清脂質と亜鉛
札幌ライフスタイルスタディから
発表者 ○加藤華奈子1)、山際睦子2)、山部秀子3)、黒川正博3)、河口明人4)
(渓仁会西円山病院1)、北海道文教大学2)、天使大学看護栄養学部3)
北海道大学大学院教育学研究科健康科学4)
生活習慣病予防のための住民の栄養指導は重要な課題であり、その指導教育プログラムの開発が求められている。【方法】住民介入研究である札幌ライフスタイルスタディに参加した札幌市民316名(40〜69歳、男性111名、女性205名)を、対照群、運動指導群、運動・栄養指導群の3群に無作為化し、栄養指導群に対しては、摂取エネルギーの適正化、n-3系不飽和脂肪酸摂取2.9g/日、食物繊維の2.0g/日の増加を毎月のNews Letterと栄養指導講習会の開催によって介入指導した。介入前後(期間1年)において、自記式食事歴法調査票(BDHQ)による栄養調査を行い、栄養介入プログラムの有効性を検証した。【結果】札幌ライフスタイルスタディにおいては、栄養指導群で1,000kcal当たりのn-3系不飽和脂肪酸摂取量が有意に増加し、食品群としての脂魚の摂取量増加と連動していた。微量栄養素群と血清脂質との偏相関分析において、亜鉛摂取量が、登録時の分析および終了時に分析、いずれの場合もともにLow-density lipoprotein cholesterol (LDL-C)と正に相関(r=.131、.132)、High-density cholesterol (HDL-C)と負に相関(r=-.134、-.144)していた。易動脈硬化指標であるLDL- C/HDL-C比は、登録時(.004)、終了時(.007)とも亜鉛と強く関連していた。飽和脂肪酸摂取量もLDL-C/HDL-Cと強い関連を認めた。【結論】亜鉛の摂取量は、脂質に関する易動脈硬化環境と関連することが示唆された。
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