第8セッション
演題 1
地域差による女子学生の身体状況の検討
発表者 ○三輪孝士1)、沼口晶子1)、生田三菜子2)、小野寺ゆう子2)
京免知佳2)、後藤知佳子2)、坂本可南子2)、経沢奈央2)、仲田みゆき2)
(名寄市立大学1)、市立名寄短期大学2)
<目的> 近年,若年女性にやせの指向が見られ,健康日本21や各都道府県健康増進計画により適正体重の維持に向けて図っている。本研究では,身体計測および食物摂取状況調査,生活時間調査から,女子学生の栄養状態および身体活動レベルを把握し,女子学生の身体状況について検討した。
<方法> 北海道N市の短期大学生の女性(N群)98名,大阪府F市の女子短期大学生(F群)31名を対象とした。身体計測は測定者間の誤差のないことを確認した上で,身長,体重,上腕周囲長(arm circumference:AC),上腕三頭筋皮下脂肪厚(triceps skin-fold thickness:TSF),肩甲骨下部皮下脂肪厚(sub scapular skin-fold thickness:SSF)を計測した。食事摂取状況は被験者による自記入式簡易食物摂取状況調査表により把握した。身体活動レベルは面接による生活時間調査により把握した。本研究は大学内倫理委員会の承認を得ている。
<結果および考察> 両群のbody mass index(BMI)の平均値はN群20.4(kg/m2),F群20.7(kg/m2) であり,両群の分散検定において有意差はみられなかった。食事摂取状況から把握した推定エネルギー必要量は,両群ともに満たされていない者の割合が多かった。身体計測結果より, TSFは両群ともに日本人の新身体計測基準値(JARD2001)の平均値より高値であった。また,TSF,体脂肪率はF群と比較してN群が有意に高かった(t検定,p<0.01およびp<0.05)。身体活動レベル,推定エネルギー必要量はF群と比較してN群が有意に低かった(t検定,共にp<0.001)。これより,両群ともに体脂肪量が多い身体組成であり,且つN群はF群より体脂肪量が多い身体組成であり,地域差が見られた。これは,N群はF群より身体活動レベルが低いことによるものと考えられる。
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