第5セッション
演題 3
思春期の食行動異常と栄養士のかかわり
発表者 ○佐藤菜津美、中村友美子、佐藤康子、星崎泉、佐々木直美
(札幌太田病院栄養課)
1.はじめに
 当院では年々中高生の入院患者が増えてきている。当院の18才以下の入院患者数は平成16年度41名、平成17年度51名、平成18年度は8月末までの5ヶ月で前年度の半数を上回り29名であった。病名は家庭内限局性行為障害やうつ病など様々であるが、その中には神経性食欲不振症などの摂食障害の患者も入院している。思春期の摂食障害に対し、手探りながらのかかわりを通して問題点や学んだことを発表する。
2.症例
 16歳女性。高校生。入院時の体重は31.8kg。約2ヶ月間の入院中に3回の栄養士による面談を試みた。食べたくても食べられない状態が続いており、偏食もあり食べられないものも多かった。本人の嗜好を尊重しながら食事内容を検討し、摂食量アップに向けてのアドバイスを行った。
3.まとめ
思春期の患者数の増加には家庭問題や虐待、いじめ、不登校や子供をとりまくストレスの増加などが関連している。また、摂食障害の患者数を増加させる要因も増えている。テレビや雑誌にはダイエットを取り上げる特集や記事が増え、痩せていることが美しいとされている風潮がある。また、「太っていること」に罪悪感のある親が少なくなく、親自身の食意識や身体に対する価値観は子供へ強い影響を及ぼすといわれている。思春期症例には家庭内の環境が大きく関わっているといえる。増えていく思春期の摂食障害の患者に対し、栄養士がどのように接していけばよいのか。精神的、身体的にも健康的な生活が送ることができるよう、摂食障害や思春期に対する知識を深め援助していきたいと考える。
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