第5セッション
演題 2
「栄養教諭を中心とした食育の推進について」
〜石狩市における従来の学校を中心とした食育との比較から〜
発表者 ○黒河あおい1)、石垣正樹2)、竹瀬直久3)
(石狩第2学校給食センター1)、花川北中学校保健体育教諭2)、石狩市教育委員会学校教育課3)
【目的】栄養教諭が「食育」で果たす役割に社会の注目が集まっているが、現場では必ずしも栄養教諭の職務について共通理解が得られているわけではなく、そのことが今後の大きな障害となることが危惧される。そこで、今回、石狩市で平成16年度から3年計画で実施されている「食育推進事業」が、平成18年度から「栄養教諭を中心とした食育推進事業」に変更されたため、過去2年間の「学校を中心とした食育」との比較を行い、栄養教諭の役割、課題等について考察したので報告する。
【調査】石狩市「食育推進事業」について、平成16年度、17年度の栄養職員業務と平成18年度栄養教諭業務を、@学校指導グループ(教員・道教委・市教委)、A情報発信グループ(教員・保護者・学識経験者)B地域連携グループ(教員・生産関係者・センター長・市農政課・子育て支援課)の組織別に比較、検討した。
【結果】@学校指導グループでは、年数回実施の食指導を、18年度からは栄養教諭として全体計画への参画や教科と連携することにより、年間を通しての継続的食指導及び個別指導が可能になった。一方、現業務との両立のための時間不足が今後の課題である。A情報発信グループでは、配布資料を、18年度は配布のみではなく今後の家庭への食指導へも活用できるものとした。B地域連携グループでは、地場産食材の活用により地域との連携を深めてきたが、18年度は家庭との連携をさらに深めるための講演会を企画することができた。以上の結果から、栄養教諭を中心とした食育推進事業の展開によって、従来の栄養職員では達成できなかった効果をあげ、学校・行政に対して栄養教諭の職務の一端を明らかにできたと思われる。この先、さらに深い共通理解を得るためには、我々「栄養教諭」自身の研鑽と努力が必要と考える。
第5セッション演題1へ 第5セッション演題3へ