第3セッション
演題 1
急性期病院におけるNST
発表者 ○高畑悠子、山賀由佳子、安川絵理、森尾綾子、佐々木宏美、三岩富美恵
(JA北海道厚生連札幌厚生病院栄養科)
【はじめに】札幌厚生病院のNSTは、今年の4月に稼動したばかりである。急性期病院である当院のNSTの現状と、現在の形になるまでの経緯、今後の課題について報告する。
【現在の活動状況】当院のNSTは稼動当初から全科を対象とした。NST回診は朝8時30分から30分間で行なう。件数を多くこなす為、NSTスタッフが2チームに分かれ、患者担当制で、それぞれが週1回、NSTとしては週2回、回診を行なう。1回の回診の対象患者は平均1.9名、多い時では5名になることもある。患者1名に対する回診回数は平均2回であるが、1回で終了するケースも多い。疾患としては癌が7割程度を占めるが、終末期であるか、そうでないかによりケアの内容は異なる。主治医の目的としている内容に沿って行なう必要がある。NSTによる栄養アセスメント・プラニングの結果は、回診後、病棟に“提言書”という書類で報告し、主治医に食事内容の工夫や、より適していると思われる輸液プランを提案する。提言書は、NSTのまとめ役である医師によるケアプランに基づき、栄養士が中心になって作成している。NSTの栄養サポートは、緩和ケアが目的でない場合、患者が必要栄養量をほぼ充足できた(またはできるプランをたてた)段階で終了する。
【今後の課題】@増加傾向にある栄養サポート依頼件数に迅速に、的確な提言を行なう為には、より早い段階で主治医の意向を把握することと、事前に患者の情報収集をする必要がある。ANSTサポート終了後のモニタリングの方法について検討する。BNSTメンバーの役割を明確にする。C院内スタッフへのNST周知が不十分である。継続してNSTセミナーを開催する等、啓蒙活動が必要である。
【まとめ】当院のNSTは、まだ走り出したばかりである。今回まとめた課題を解決し、より良い栄養管理の実現に努力したいと考える。各職種の専門性を生かせる、札幌厚生病院独自のNSTを作り上げていきたい。
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