第3セッション
演題 2
NST稼動後1年の現状と課題
発表者 ○澤田 由紀子
(JA北海道厚生連旭川厚生病院 栄養科)
【目的】2005年6月よりNSTを稼動し、1年が経過した。これまでの活動の評価のため、介入患者の転帰と職員の意識調査を行った。結果から今後の活動のあり方について検討したので報告する。
【対象と方法】@介入患者は、2005年6月〜2006年5月に介入終了した44名を対象とした。診療科、介入期間、主病名、介入依頼理由、転帰について調査を行った。A意識調査は、全職員785名を対象としてアンケートを行った。内容はNST及び栄養管理に関する設問とし、選択と記述両方の方式を用いた。
【結果】@介入患者の大半が外科で、全体の8割が癌患者であった。消化器系の癌が多く、介入理由に食欲不振が多くあげられていた。ターミナル期の方も多く、一時退院をアウトカムとした例もあったが、疾患が増悪し目標を達せずに終了する例も全体の3割となっていた。A意識調査アンケートの回収枚数は、687枚で回収率87.5%だった。アンケートより、「NST」という言葉自体はかなり浸透したと思われる。しかし活動に関しては、わからない、もっと知らせて欲しいという意見が半数を占めていた。栄養への興味や患者の栄養状態への意識は8割の職員が持っていた。職種ごとに注目する点は異なっており、NSTを稼動することによって、多角的に患者の栄養状態を把握できることが示唆された。
【考察】現在、当院のNSTは外科、消化器科2病棟の稼動であり、予想よりはるかに癌患者が多かった。特にターミナル期の癌患者は、本人やご家族の意思にそった現実的なアウトカムの設定が必要と考える。今後、さらに実績を重ね目標を達成することで、活動の院内周知も促されると思われる。
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