第2セッション
演題 3
管理栄養士養成課程のカリキュラムについて
〜コミュニケーションスキルの向上を目指して〜
発表者 ○百々瀬いづみ、黒川正博、山本愛子
(天使大学看護栄養学部栄養学科)
[はじめに] 栄養指導の際、相談者との信頼関係を築くためには効果的なコミュニケーションが必須である。また、多職種の連携によるチーム医療にもコミュニケーション能力が要求される。そこで、より質の高い栄養指導を行うことのできるスキル向上のためには、 管理栄養士養成課程の教育内容がいかにあるべきか、現状と課題を通じて検討を行った。
[対象と方法] 「カウンセリング演習」(4年次生選択科目)受講生のうち、同意の得られた25名を対象に、ロールプレイを取り入れた授業を通じたスキル向上に関する自己評価及び授業評価を行った。評価は授業の初回、最終回と、質問項目によっては授業終了毎に行った。評価項目は5段階評価法とし、スキルの高い項目から順に5〜1点とした。
[結果と考察] 日常生活において、小学生、乳幼児とコミュニケーションをとる機会は極めて少なく、ロールプレイを演ずることが最も難しかった。コミュニケーションの方法、スキル等に関する自己評価は、授業の初回に比べ、中間時、最終時は有意に得点が高くなった。また、演習を通じ、「座る位置、姿勢」「表情豊かに話す」「間を大切にする」など、効果的なコミュニケーションに必要な事項の得点が高くなった。「カウンセリング演習」において、「受講生が他の受講生の前でロールプレイを行い、終了の都度、教員または観察者の学生から評価、助言をもらう」という方法は、概ね、学生からの評価は高いと考えられた。
しかし、今後の課題としてはロールプレイ実施前の教員からの説明方法の工夫や、設定課題に「沈黙場面」を加えることや、ロールプレイの良い例と悪い例の両者を紹介することなどを検討すべきと考えられた。また、教科の中で学習はもちろんであるが、日常生活において、または1年次からの他の教科の中で、異年齢の者等を含む他者との会話の機会を増やすことが、コミュニケーション能力を向上のために、重要であることも考えられた。
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