第1セッション
演題 3
DASH食の検討
〜日本食への応用〜
発表者 ○鈴木育子1)、阿部泰久1)、斉藤恭子2)、近藤江利子3)
三岩富美恵4)、紅粉睦男4)、森尾綾子4)、氏家真梨5)
(あべ内科クリニック1)、渡辺内科クリニック2)、栄養士会地栄協所属3)
札幌厚生病院栄養科4)、美深厚生病院栄養科5)
【目的】降圧効果が期待される要因として、生活習慣の修正とともに食生活においては減塩のほか、様々な栄養素に焦点が向けられている。
日本高血圧ガイドライン(JSH2004)の生活習慣修正項目中、食生活に関する項目の中にはアメリカで降圧効果が実証されたDASH食と共通する部分がみられる。
今回、DASH食と日本人の食事摂取状況を比較し、日本食への応用を検討した。
【方法】平成15年度国民栄養調査を参考にDASH食と日本食とのそれぞれの栄養成分を比較、DASHが推奨する栄養目標値に近づけた献立を(1500、1800、2000)Kcalの3段階に分けて作成し、試作した。
【結果】日本食は欧米型の食事と比べると炭水化物が多く脂肪が少ないDASH食に近い内容であった。又栄養成分においてもC・F・Pの摂取割合は日本人の食事と大きな差はなかった。しかし、カルシウム・カリウム・マグネシウム・食物繊維は少なく、コレステロール・ナトリウムは過剰に摂取している状態であった。このような状況の中で、日本食は減塩が大きな課題と思われる。また、外食・中食の利用が高まっている中で、食物繊維・カリウム・マグネシウムの摂取量を増やすのは難しい面があり、食品数や摂取頻度に配慮する事が大切である。カルシウム補給には低脂肪乳製品の利用が望ましく、飽和脂肪酸・コレステロールを抑えるには質・量ともに考慮した食品の選択が重要である。
【結語】現在私達は、より現実的な形での日本食の提供を前提に、既存の食品や、身近で手軽に利用できる食材、宅配食の利用なども視野に入れて日本食に応用したDASH食の実施に向けて検討中である。
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