第7セッション
演題 3
札幌ライフスタイルスタディ登録者栄養調査における
脂肪酸の摂取状況について
発表者 ○安江千歳1)、橋本亜紀2)、松下紗綾2)、山部秀子3)、山際睦子4)、室田恵5)、黒川正博3)4)
(柏葉脳神経外科病院1)、北海道大学教育学部2)、天使大学看護栄養学部3)
北海道栄 養士会4)、大学生活協同組合5)
【目的】急速な高齢化と生活習慣病拡大を示す我が国において、疾病予防、健康保持・増進を目指した社会システムの確立は重要な政策的課題である。生活習慣病予防を目的とした前向き介入研究(札幌ライフスタイルスタディ)における登録時の栄養調査結果に基づき、脂肪酸の摂取状況について検討した。【方法】40歳以上70歳未満の札幌市住民(健常男性及び閉経後女性)316名を対象に、登録時に自記式食物摂取頻度調査(BDHQ;国立健康・栄養研究所:最近1ヶ月間の食習慣調査)を行った。研究の栄養介入目標は、エネルギーの適正化、n-3系不飽和脂肪酸一日2.9g摂取、食物繊維一日2gの摂取量増加であり、毎月のNews Letterおよび講習会を開催している。【結果】全集団は、男111/女205名、平均年齢59.1歳、BMI 23.5 kg/m2、体脂肪率27.0%であった。年齢・性階級別の栄養素摂取平均量は、脂質が男40代、50代、60代はそれぞれ56.6g、55.6g、56.4gであり、女は49.7g、42.3g、47.9gであった。脂質エネルギー比は男22.4、23.4、23.7%、女24.2、25.0、25.4%と有意に女で高く、SFAは、男14.7g、13.8g、15.0g、女13.3g、10.7g、12.3gだった。PUFAは、男13.9g、14.7g、14.0g、女性12.2g、11.0g、12.4gであり、n-3PUFAは、男2.7g、3.3g、3.3g、女2.5g、2.4g、2.9g、n-6PUFAは男11.4g、11.6g、10.7g、女9.9g、8.6g、9.4gであり、n-6 /n-3比は、男4.2、3.5、3.2、女4.0、3.6、3.2であった。国民栄養調査と比較し、脂質量は60歳代男女を除き少なく、脂質エネルギー比も60代男女を除き低い値であった。米国1998-94年栄養調査結果と比較すると、脂質、脂質エネルギー比、SFA、MUFA、のいずれも低かったが、60代女PUFA摂取量のみが高かった。【結論】BDHQによる脂肪摂取量は、国民栄養調査による栄養摂取状況とほぼ近似していた。米国との比較では、60代女性を除き、脂質、脂質エネルギー比、SFA、MUFA、PUFA摂取量のいずれもが低くかった。
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