第4セッション
演題 3
施設改築にともなうフードサービスシステムの検討
発表者 〇宍戸里奈、佐竹麻実、隈元晴子、高平道子、和泉由佳理、平泉幸子
(宮の森記念病院)
【目的】 特定療養施設に於けるフードサービスは制度改正に伴い受益者負担増という厳しい現実に直面している。また就労の年齢構成でも2007年問題のように熟練者の定年など多くの課題が社会的背景として明確に存在する。当院の施設改築にあたりこれらの要因を考慮し、且つ安全で美味しい食事提供のため現行のクックサーブシステムを患者様がどのように受けとめているのか、アンケート調査を試みたので報告する。
【対象と方法】 対象は当院の入院、外来透析で認知障害等のない患者49名、平均年齢65歳、平均在院日数25日、アンケートは栄養士によるベットサイドでの諮問形式とし内容は、食事の温度とセレクトメニューに限定した。また喫食時の温度測定はアンケート実施日に提供した朝、昼、夕食の33アイテムである。尚、温度管理は保温食器と食器消毒保管庫、及びプレハブ冷蔵庫の利用のみである。
【結果】 喫食時の温度が満足の割合は主食(米飯・全粥で)では75前後、麺(温)80、麺(冷)60、汁物65、牛乳、デザートでは80%であったが、副食の肉・魚・煮物類は50%と著しく低かった。この時点の喫食温度は各アイテムの芯温で主食は58、汁58、魚・肉・煮物類30、牛乳・デザートは10℃程度であった。つまり高い温度で提供すべき食品と低い温度で提供すべき食品とは逆転していた。セレクトメニューは現行で昼・夕2回で3回/週に対して回数は適切であるが、内容を和・中・洋食とはっきりとしたバリエーションを望む声が多かった。
【考察】 以上、患者様の食事に対する満足度やフードサービスマネージメント全般を考慮して栄養科ではクックチルシステム(個別再加熱方式)を提案した。現在は導入に向けて準備中であるが、施設経営面での寄与も期待度が望まれる。
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