第4セッション
演題 2
セーフティレポートから見た当院栄養科の傾向と取り組み
〜安全な食事を提供するために〜
発表者 〇飛世 真紗子、寺山 里恵
(帯広厚生病院栄養科)
【はじめに】安全な医療を提供するためには、従事者個々が安全に対する意識を向上させ、業務を的確に行なう事はもちろん、組織全体での継続した取り組み、評価、改善が重要である。当院栄養科では、昨年4月よりセーフティレポート(以下レポート)を活用し事象を検討、改善に役立てている。今回、レポートの傾向と重点的に取り組んだアレルギー対策について述べたい。
【傾向】平成16年度は、「料理の付け落ち」が20%強、次いで「異物混入」、「献立内容が違う」、「食事が提供されない」などの順になっている。アレルギーは4件発生し、うち2件は同一患者で、摂取後アレルギー症状を起こし、治療が必要となった。確認体制、他の食事と明確な区別がなされていない点、アレルギーに対する意識の低さが問題となった。
【取り組み内容】全病棟共通手順を作成し、食物アレルギーがあるとわかってからの流れを明確にした。また、食事内容確認のマニュアルを作成し、他の食事とは区別、病棟とも連携し徹底した確認を実施することとした。食札を色で囲い、トレイの色を替え、毎食食材を記入した献立表を添付することで、アレルギー食であることを明確にした。
【結果】病棟共通の手順によって病棟との連携がスムーズになり、アレルギーに対する意識の変化も見られた。また、病棟訪問によって患者様に直接アレルギー内容の確認ができ、より個人に適した対応が可能となった。確認体制の強化、アレルギー食の明確化によって安全な食事を提供することにつながったと考える。
【おわりに】レポートの活用は、より安全な食事提供に向け業務を改善していくことができ、有用であった。今後もレポートを活用し、安全でより質の高い食事の提供に努めていきたい。
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