第8セッション
演題 1
各種コーヒーのクロロゲン酸含量の比較
発表者 ○菅江綾子、 志賀一希、 荒川義人
(天使大学 看護栄養学部 栄養学科)
【目的】近年、コーヒー豆に含まれるクロロゲン酸は強い抗酸化作用を有することから、さまざまな疾病予防、健康効果が期待されている。しかし、コーヒーの品種や各種加工品におけるクロロゲン酸含量に関する研究はきわめて少ない。そこで本研究では、日常、各種コーヒーの飲用とクロロゲン酸摂取量との関係を明らかにする目的で、各種銘柄および加工品中のクロロゲン酸を定量、比較したので報告する。
【方法】試料としてアラビカ種(Caffea arabica)を4種、カネフォラ種(Caffea canephora)を2種、それぞれの生豆および焙煎豆を用いた。焙煎豆は生豆を、高速焙煎ジェットロースターを用いて同一条件で焙煎した。また、加工品としてインスタントコーヒー3種、コーヒー飲料2種を用いた。クロロゲン酸の定量は、豆とインスタントコーヒーの場合、熱水・メタノール混液で抽出、濃縮後に、コーヒー飲料の場合はそのまま高速液体クロマトグラフィーに供して行った。
【結果】カネフォラ種(2種)は、クロロゲン酸含量がアラビカ種(4種)に比べて多いことが確認された。アラビカ種の銘柄間の比較では、生豆の場合、マンデリン、ケニア、モカ、バリの順で多かったが、焙煎後、クロロゲン酸含量は減少し、減少量は銘柄間で異なった。インスタントコーヒー(3種)については、製品間でクロロゲン酸含量に大きな差が認められた。コーヒー飲料については、2製品間の差はほとんど認められなかった。今回の実験から、コーヒーの飲用はクロロゲン酸摂取につながるが、摂取量はコーヒー豆や加工品の種類によって大きく異なることが推察された。
第7セッション演題4へ 第8セッション演題2へ