第8セッション
演題 2
ホヤ可食部凍結乾燥粉末の脂質代謝改善作用
発表者 ○清橋さやか1、松本 恵1、峯尾 仁、松原 範宜、知地 英征
(1藤女子大 食物栄養、コンビ株式会社)
当研究室ではこれまでに活性酸素やフリーラジカルの関与が指摘されている急性アルコール性胃粘膜障害に対し赤ホヤの色素抽出物が強い抑制効果を持つことを明らかにした。ホヤ可食部凍結乾燥粉末は、皮膚炎改善効果や胃粘膜保護効果など生体に対する様々な生理活性が報告されている。本研究では、真ボヤの可食部凍結乾燥粉末からなるホヤクティブ(コンビ株式会社)を成長期のラットに摂取させ、成長などの栄養パラメーター、脂質代謝に及ぼす影響を検討した。
【方法】4週齢雄性ラット(12匹)を7日間予備飼育し、その後、25%Casein飼料(Control群)、及びにホヤクティブを5%添加したCasein飼料(Hoya群)の2群に組み替え、14日間飼育した。なお、ホヤクティブ添加飼料のたん白質量と脂質量はControl飼料と同レベルに調製した。実験終了後、麻酔下で解剖し、採血後、臓器及び、内臓脂肪量を測定した。また、血清及び肝臓中コレステロール濃度等の生化学パラメーターを測定した。
【結果及び、考察】Hoya群はControl群と同等、あるいはそれよりやや良い成長速度を示した。さらに飼料効率、各臓器重量においてもHoya群はControl群と比べ有意な差は見られなかった。Hoya群の血清総コレステロール、中性脂肪、脂肪酸、リン脂質濃度はHoya群がControl群比較して低下する傾向が見られ、血清LDL+IDL+VLDLコレステロール濃度は有意に低下した。
また、Hoya群の肝臓中のコレステロール及び、中性脂肪量はControl群に比べ有意に低下した。
以上の結果、ホヤ可食部凍結乾燥粉末摂取は、脂質代謝の改善効果、及び血中コレステロール濃度の上昇を抑制する効果が明らかとなった。
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