第7セッション
演題 4
そばのアンジオテンシン変換酵素阻害活性
発表者 ○東 郁実、 志賀 一希、 荒川 義人
(天使大学 看護栄養学部 栄養学科)
【目的】そばは栄養価の高い食品の一つとして古くから利用され、近年、高血圧予防、抗酸化作用などの効果が期待されている。とくに血圧降下作用のメカニズムは、これまでルチンによる血管機能の改善によると考えられてきた。しかし、最近になってそばにはアンジオテンシン変換酵素(以下ACEと省略)を阻害し、強い血圧上昇作用をもつアンジオテンシンIIの生成を抑える成分が含まれていることが確認されている。そこで本研究では、普通そば(Fagopyrum esculentum)、およびダッタンそば(Fagopyrum tataricum)の2種についてACE阻害活性を確認し、その阻害活性成分の分画、精製を試みたので報告する。
【方法】試料には普通そば粉、およびダッタンそば粉の2種を用いた。ACE阻害活性の測定は、Sigma社製のウサギの肺ACEを用い、Bz‐Gly‐His‐Leu(合成基質)を基質として、反応生成物の馬尿酸を高速液体クロマトグラフィーによって定量する方法で行った。そば粉をメタノール抽出し、濃縮後、酢酸エチル層、1-ブタノール層、水層に分画し、各画分の濃縮物を10000ppmに希釈してACE阻害活性を測定した。最も強い阻害活性を示す画分について阻害活性成分の精製を試みた。
【結果】2種のそば粉ともメタノール抽出物では強いACE阻害活性を示し、とくにダッタンそばの方が強い活性を持つことが認められた。各画分では、2種のそば粉とも1-ブタノール画分の阻害活性が強かった。現在、とくに阻害活性の高い1-ブタノール画分について、活性成分の精製を継続中である。
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