第6セッション
演題 1
食生活調査結果をふまえた料理講習会への応用
発表者 ○菊地和美、奥村昌子(酪農学園大学食品科学科)
【目的】食物を食べることは、健康を保持する基本的な役割と、五感を通して精神的な充足やつくる楽しみを経験し、人の交流を円滑にする文化的な役割があると考えられている。21世紀における国民健康づくり運動は、栄養・食生活の分野で(1)適正な栄養素(食物)の摂取、(2)摂取のための個人の行動、(3)支援するための環境づくりを設定し、2010年度を目途とした学習の場の増加と参加の促進を働きかけている。そこで、本研究は母親を対象として食事に関する調査を行い、料理講習会への応用を検討した。
【方法】本研究は北海道K市民を対象として質問紙法による(1)母親と子どもの食事調査を集合調査法で2003年に実施し、その結果をふまえて2004年には(2)食生活調査ならびに料理講習会を行った。解析方法は各項目の単純集計を行い、グループ間の比較はt-検定、分散分析、χ2検定を用いた。
【結果】(1)母親と子どもの食事調査では、母親・子ども共に鉄の充足率が低かった。PFCバランスは子どもの年齢が高くなるに伴って、脂肪エネルギー比率が高くなり、母親の食事に近似する傾向が伺えた。(2)食生活調査では、緑黄色野菜ならびにその他の野菜の摂取量は少ない傾向がみられていた。これは、夕食には緑黄色野菜やその他の野菜を取り入れていたが、朝食や昼食では取り入れにくかったことに起因すると思われた。また、母親は「簡単」「野菜」レシピを利用したいと回答していた。料理講習会では調査結果をリーフレットによって説明後、K市で出荷されている野菜を取り入れた料理の試食会を行った。野菜摂取量は成人一日当り350g以上を目標としているが、野菜に対する知識や地場産の野菜を調理に利用するような支援ならびに環境づくりが大切であると思われた。今後も継続実施していきたい。
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