第5セッション
演題 3
糖尿病患者のセルフケア行動に
生活習慣記録機(ライフコーダ)を用いて
発表者 ○佐竹麻実、隈元晴子、宍戸里奈、野本由紀子、平泉幸子(宮の森記念病院)
【目的】 糖尿病栄養指導ではセルフケア行動(自己管理行動)の食事療法、運動療法など、その実行度をいかに高めて行動変容に導けるかが最大の課題である。従来、患者個々に対する栄養量や運動量が適切であるか否かの判定は一定期間後の体重や血糖コントロールが指標であった。今回、ライフコーダを装着し総消費熱量、運動量、歩数をタイムリーに確認することによりセルフケア行動が高まった症例につき報告する。
【方法】 対象 外来糖尿病患者4名、平均年齢56.0歳、Kenzライフコーダ(総消費熱量、運動量、歩数、活動時間分布、曜日別身体活動パターン、週別身体活動推移)装着期間は3.0±0.8週間、データー解析は来院時とした。
【結果】 症例No1 42歳(男) BMI32.0、FBS170mg/dlにて血糖降下剤服薬を拒否。期間3週間、歩数、運動量、総消費熱量ともに順次増加し1週に比較し3週ではそれぞれ15、18、10%の増となった。また摂取熱量は3600kcal、指示栄養量を2000kcalとしたが平均摂取熱量は1800kcalと装着前の50%に留まりBMIは1.8の減。血糖、血清脂質共に改善。症例No2  65歳(男)血糖コントロール良好、期間2週間、食習慣行動の変容がみられ摂取熱量は15%の減、歩数、運動量、総消費熱量に5〜15%の増がみられBMIは0.8の減。症例No3  57歳(女)服薬中断中、歩数のみ増となり、総消費熱量は変化なく休日の運動を奨励。症例No4  60歳(男)4週間の前半は積極的に取り組んだが、後半は運動量が減少し、BMIは0.8の増。然し血清脂質には改善がみられた。
【考察】 セルフケア行動の中で比較的実行度が低いとされる食事、運動療法であるがライフコーダはその必要性を明確に認識させうる媒体と考える。また装着時期(季節)、期間なども考慮すべきであろう。
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