第4セッション
演題 4
睡眠時無呼吸症候群の
栄養指導とその効果
発表者 ○高橋めぐみ 九嶋千都子 堀川かおり 八幡昌代
(医療法人碩心会 北海道大野病院)
【目的】
新幹線の運転士が走行中に居眠りをしたことが全国的な話題となり、「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」が人々に知られるようになった。当院では、平成15年2月よりSAS外来を開設し治療を行っている。SASの原因は、肥満によって気道が狭くなる場合が多いことから、SAS患者を対象に肥満の栄養指導を行い、8月末までの栄養指導件数が103件となった。そこで1症例を挙げ肥満の栄養指導の効果について報告する。
【対象と方法】
他院高血圧症にて外来通院中、SAS疑いで当院紹介患者の男性57歳(当院初診時、身長167cm、体重89kg)、当院にて終夜睡眠ポリソムノグラフィー検査結果、重症のSASと診断された患者の栄養指導による食生活や生活習慣の変化を評価し、栄養指導の効果、栄養士の役割について考察する。
【結果】
減量イコール好きなものは食べられない。食べてはいけないとイメージし、太りやすい体質とあきらめていた患者が、重症SASと診断された後、意欲も向上し、生活習慣の改善もみられるようになった。食べてはいけないではなく、これだけ食べられるという説明での安心感からか、自ら適量を理解し体重グラフをパソコンに入力、減量に積極的に取り組むようになり、約1年で12kgの減量に成功した。減量に限らず、栄養指導を行うには患者の食行動を否定せず、同じ立場で話を進めていく必要がある。鼻マスクを利用して空気を送り込み、圧力をかけ、気道を閉じないようにするCPAPを装着しなくとも睡眠できるように今後も関わって行きたいと思う。
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