第4セッション
演題 3
精神科デイケアにおける栄養士の役割
発表者 ○星崎泉、佐藤康子、高橋みき、佐藤菜津美、中村友美子
(札幌太田病院 栄養課)
【はじめに】精神科に入院している患者の食事や栄養に対する意識は薄く、退院後食生活が乱れることが多い。当院では、退院者の社会に復帰する訓練の場として3つのデイケアと2つのナイトケアを有する。その中で、食生活訓練につながるプログラムとして、栄養士が調理実習や栄養教室を担当している。規則正しい食事の重要性、健康と食事の関係や基本的な調理技術を伝え、自立援助にかかわっている事を報告する。
【調理実習】調理実習は、第1・2デイケアが週1回、第1・2ナイトケアが月2回、それぞれプログラムの中で実施している。(1)基本的な調理技術の習得(2)調理を協力して行うことにより協調性を図る(3)生活能力の拡大と自信の回復を促す(4)食品衛生などの認識と責任感を養う、という目的を持つ。
【退院後の食事に関するアンケート】デイケア、ナイトケアに通所するメンバーにアンケートを実施した所、料理が作れない、作るのが面倒といった回答や、調理器具の使い方がわからない、何を食べたらよいかを知りたい、といった食生活に欠かせない基本的な事柄に問題が多いことがわかった。
【まとめ】通所しているメンバーには単身者も多く、外食やコンビニ弁当に頼る人が少なくない。調理実習を通して料理は難しいものではなく、自炊をすることでバランスの取れた食事が出来るなどといった自炊のメリットを伝えていきたい。メンバーの食生活により積極的にかかわり、食生活の乱れを是正していけるよう、今後栄養教育の場も増やしていく必要があると考える。

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