第4セッション
演題 2
大学生ヨット部選手の栄養摂取量の現状と食事教育の効果
発表者 ○新谷純子、山口敦子
(天使大学看護栄養学部栄養学科)
[目的]運動選手の競技力が向上するためには質の高いトレーニングを継続することが必要である。近年そのための選手の栄養管理の重要性が認識されてきており、スポーツ選手の栄養教育の必要性についても研究されているが、食事を喫食して貰って、効果を検討したものは少ない。そこで、男子大学生ヨット部選手を対象としたアンケート調査などを行って、栄養摂取の現状を把握し、食事教育の効果について検討した。
【方法】大学ヨット部に所属する男子選手20名を対象に、食生活調査、生活活動時間調査法による一日の活動量調査、通常の合宿中の食事調査、アンケート調査を実施し、食事指導を行った。そのうち10名の学生にバランスの良いモデル献立の食事を提供し、食事指導を行った後に各グループについて検討した。
[結果]合宿時における生活活動強度は平均2.4、一日栄養摂取量平均は通常の合宿中の食事で、エネルギー1971kcal、たんぱく質64.5g、脂質55.5g、炭水化物345.6g、カリウム1769mg、カルシウム228mg、鉄5.7mg、ビタミンA491mg、ビタミンD 1μg、ビタミンE 6.5mg、ビタミンB1 1.17mg、ビタミンB2 0.64mg、ビタミンC 54mgであった。活動量からみた栄養所要量(必要摂取量)に対する充足率は、エネルギー56%、たんぱく質77%、カルシウム33%、鉄57%、ビタミンD 27%、ビタミンB2 53%、ビタミンC 54%と非常に低く、特に身体づくりなどに大切であるとされる栄養の摂取量が低いことがわかった。モデル献立の食事を喫食した後の食事教育を通して、選手自身が必要な食事の摂取量について興味・関心を高めることが出来た。さらに合宿以外の日常生活時においても、栄養のバランスを考える等、栄養バランスの良いモデル献立の食事を喫食することが、食事教育においてより有効であることが示唆された。
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