第3セッション
演題 1
循環器疾患の実態と年代別に見た食生活習慣との関連
発表者 ○宗万七洋子 中嶋美緒 神田暢子 佐藤和子 西宮孝敏
(旭川赤十字病院)
【目的】当病院の循環器病棟においては年間凡そ300件のクリニカルパスを導入しており、チーム医療のメンバーとして全対象患者に栄養指導を実施している。対象患者のうち40~50才代の働き盛りが、全体の25%を占めていることは大きな問題である。生活習慣の欧米化や急速な社会変化からくるストレス、肥満、インスリン感受性の低下、耐糖能異常、高血圧、脂質代謝異常を含む、メタボリック症候群の増加が循環器病発生の大きな危険因子とされている現在、栄養面では脂質摂取比率の過剰と食環境の変化が重要課題と考えられる。この度学生にアンケート調査を実施したところ、その結果、働き盛り循環器疾患患者と比較して、生活習慣、食事内容に類似点が多く見られたことから、それらの問題点について検討した。
【対象と方法】循環器病クリニカルパス対象患者330名(調査期間:平成15年4月〜16年9月)の中で40〜50才患者(一部20〜30代含む)81名に対し調査し、又学生77名に対してのアンケート実施(調査期間:平成16年6月)結果とあわせて、その生活背景、改善方法について考察した。
【結果】働き盛りの年代あるいは学生(若年者)の生活習慣、食事内容等が危惧される状況にあることについて、多くの該当者は改善の必要性を承知してはいるが、具体的に実行に移している者は少ない。栄養士の役割は、食に関する知識を正しく広く普及することであり、繰り返し啓蒙することで薬を使わずともある程度血清脂質値をコントロールさせ、重症化予防に対し貢献可能と考える。更に若いときからの自己管理の大切さと食習慣改善に対する認識を自覚させるため、指導内容、媒体などに工夫をし善導する努力が必要と考える。
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