第5セッション演題 3

回復期リハビリテーション病棟においての 嚥下障害者への栄養士の関わり

発表者 ○齋藤郁子、戸内千鶴、堀川まり奈 (愛全病院栄養科)
【目的】 回復期リハビリテーション病棟では、医師、看護師、理学療法士、作業療法士等 が共同して患者様ごとのリハビリテーション総合実施計画表を作成し、その上で各種リハ ビリテーションが行われている。急性期を脱したものの嚥下障害を有する患者様も少なく なく、栄養士も医師、看護師、言語聴覚士、理学療法士などとチームで嚥下障害者の嚥下 訓練に参画している。そこでの症例をとおして「口から食べることの意義」についての体 験を発表する。の比較も行った。
【対象と方法】

回復期リハビリテーション病棟に入院中の84歳の女性(調査期間:平成 15年6月〜9月)、39歳の男性(調査期間:平成15年7月〜9月)の2名。段階的 食事形態のアップの状態、他のリハビリテーションの推移、行動の変化等を評価し、栄養 士の役割について考察する。

【結果】
84歳の女性は、口から食べられるようになっていく過程で、覚醒が安定し、発 語が増加、表情が豊かになり、意欲の向上や行動の変化などがみられた。39歳の男性は、 食べる意欲はあるが嚥下機能が伴わない事に対し苛立っていたが、リハビリテーションの 進行により摂食可能となり、適切な食品を自ら判断できるようになった。このような症例 での栄養士の役割は患者様の「口から食べたい思い」を受け止め、嚥下機能に合わせて嗜 好性を考慮した食事や訓練食の提供と、栄養状態を良好にするための栄養ケアの提案及び 実施にあると思う。ゆえに栄養士は食事をとおして、障害克服を支援する職種として、チ ーム医療の中でその役割が一層担えるように、研鑚が必要だと思う。
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