第6セッション演題 1

アンケート調査結果へのクラスター分析の応用

発表者 ○岡崎眞、福田宏美(北海道栄養士会網走支部)
【目的】 アンケート調査結果の解析は、Plan-Do-Seeサイクルのなかで、調査対象の問題 点を発掘し、その解決策を企画することが最大の目的である。しかし、これまではいわゆ る数理統計学的手法で、対象の特徴を要約するに止まるものが多く、対象の無作為抽出性 の問題とともに、個々の構成員に対してテイラードな指針を示すためには不適切であった。 多変量解析の方法は全体像を把握すると同時に個々の対象の特徴を把握することができ、 またいわゆる記述的な方法として対象の抽出方法にとらわれず、かつ、解析者の経験に基 づく主観的な固有技術を生かすことができる方法として有効なデータ解析の技法である。 中でもクラスター分析はそのような目的に適合したものとして、その解析技術の確立は栄 養教育プランの企画と実施のために必要である。
【方法】

道東に所在する介護老人保健施設の入所者71名、DC利用者52名に対して食 事に関わるアンケートを実施し、その結果をクラスター分析し、得られたデンドログラム を解析することにより、効果的なクラスター分析の方法について検討した。

【結果】
データの標準化を行わず、平均ユークリッド距離によるグループ間平均連結法に よりクラスター化した結果、DC利用者については、明確な分類をすることはできなかっ たものの、対象の特性を大きく2群に分けることが可能であることが示唆された。入所者 では痴呆度や活動性あるいは日常生活に対する姿勢などの対象の特性により、おおよそ6 群に分けることができた。今後、距離の測定尺度、標準化の方法およびクラスター化の方 法の組み合わせを選択することによって、さらに対象の特徴をよく表すような分類が可能 であると期待できる。
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