第5セッション演題 2

介護福祉施設(特別養護老人ホーム)における 職員への栄養教育とその現状

発表者 ○鈴木美貴(小樽北勉会望海荘・管理栄養士)
【目的】 当施設では寝たきりや痴呆などの理由により、約半数の入所者に食事を介助 している。しかしながら、実際に介助する側(介護職員など)は入所者への給与栄養 量や食品の働きについて、分からないまま介助しているのが現状である。そこで、入 所者または職員の健康維持、増進につながるような給食だより、献立表などの媒体を 通して職員に栄養や食に対する関心を促し、食に対する知識の向上を試みた。
【経過】

平成15年1月に職員を対象に栄養や食事に対する研修を行うため、アンケ ートをとったところ「食事や栄養について知りたいことは何か」という問いには、ほ とんどの人が「特になし」という答えであり、関心の無さが伺えた。そこで、多くの 職員に関心を持ってもらうため平成15年4月より職員食の献立表を作成し、その中 に給食だよりを載せた。平成15年5月にとったアンケートでは、約9割の人が献立 表は見ているが、給食だよりに関しては約半数の人しか見ていないことが分かった。 さらに平成15年10月に食事摂取表をつけてもらい、食生活の問題点を探り給食だ よりの話題とした。

【結果】
10月に行ったアンケートの結果、若年層の職員よりも年配の職員に食に対 する感心が強く見られたが、食事調査の結果、実際の食生活と結びつけるのは難しい ということが分かった。
【考察】
当施設は入所定員150床であるが栄養士は1名しかいないため、十分な栄 養管理が行われているとは言い難い。しかし施設職員が食事に関心を持ち、栄養につ いての知識を向上させることで自身の健康管理だけではなく、入所者の栄養管理につ ながるのではないかと思われる。また、職員食を通しての栄養教育であるため、美味 しく食べていただける献立をより模索する必要があると思われる。
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