第3セッション演題 1

病院食に於ける微量元素の検討  第2報 透析食

発表者 ○宍戸里奈、野本由紀子、隈元晴子、佐竹麻実、平泉幸子 (宮の森記念病院)
【目的】 前報にて一般食の微量元素(Fe・Zn・Cu・Mg・Mn)の摂取量は Znのみが所要量を充たし、他は大幅な減であり制限のない一般食で所要量を充た せないことを述べた。よって今報では治療食の中でもコントロールする栄養成分が 多い透析食での摂取量を求め一般食と比較した。また透析患者(入院)の血中微量 元素濃度の現状についても報告する。
【方法】

調査期間は平成14年10月〜15年の1年間。対象は透析食で栄養量、 熱量1770kcal、たんぱく質64g、水分1050ml、塩分6.3g、K 1650mg、P830mgにおける各微量元素を計算値より求め、食品構成から の差異も比較した。尚、血中微量元素濃度は長期入院患者11名のみとした。

【結果】
下記に透析食と一般食の比較及び第6次所要量に対する充足率を示す。
 FeZnCuMgMn
透析食(mg)6.81351.041802.7
一般食との比較(%)−24−10−5−23−2
第6次の充足率(%)63130606470
 一般食に比してFe、Mgが20%、Znは10%の減であった。この差異の6 5〜90%は果物、乳製品、味噌などの摂取減に由来していた。即ちコントロール 成分、塩分、水分、K、Pなどに起因していた。血中微量元素濃度は正常範囲内が Fe73、Cu82、Zn73、Mg100%であった。尚、Mgは第6次所要量 の充足率に大幅に満たなかったが、血中Levelでは50%が正常範囲の上限値 を超えていた。
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