第4セッション
演題 4
2型糖尿病患者の食事療法負担感と栄養士の関わり
発表者 ○氏家志乃1)、荒井幸江2)
(医療法人社団いずみ会北星病院1)、介護老人保健施設 北星館2)
【目的】糖尿病治療の基本は生活習慣病の見直しと是正であり、その効果は患者の自己管理によって得られる。中でも食事療法の是正には心理・行動上大きな負担を強いることが推測される。多留らの2型糖尿病患者の食事療法負担尺度を用いて患者の食事療法負担感を把握し、今後の食事療法支援のあり方を検討した。【方法】外来通院をする2型糖尿病患者35名を対象とし、2型糖尿病患者の食事療法負担尺度による調査を実施した。尺度は1)対人関係の中で感じる孤独感、疎外感2)好きなものが好きなだけ食べられない不自由感、3)自己価値観を維持することへの脅かし4)生活範囲の縮小に伴う不自由感の4つの下位尺度で構成されており、得点の高さが負担感の強さを示す。それぞれの下位尺度の得点と総合得点を性別、BMI、HbA1C、血糖自己測定、合併症の有無、治療年数、生活、主調理者、栄養士の介入度の背景に分類し比較を行った。【結果】性別、BMI、血糖自己測定、合併症の有無、治療年数で比較を行ったが、それぞれ有意な差は認められなかった。しかし、生活(独居群と家族と同居群)の総合得点、下位尺度1、3では独居群に比較し家族と同居群の負担得点は高く、負担感が強い結果であった。また、主調理者でも下位尺度1では自分群よりも家族群の負担点が高かった。その他、栄養士の介入では下位尺度3において継続介入群が非継続介入群よりも負担得点が高く、HbA1Cでは可群が優群、不可群よりも負担得点が高い結果であった。【考察・結論】今回の調査では「家族と同居」や「栄養士の継続介入」の群に負担感が強く、人との関わりが負担感に影響することが分かった。負担感がコントロールに良く作用する場合と、負担感が強すぎてコントロールが不十分になってしまう場合が考えられ、食事療法援助では具体的な方法への援助だけではなく、心理的負担も情報として取り入れることが重要であると考える。
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