第1セッション
演題 1
クローン病患者の栄養食事マニュアル(案)作成
−自由集会「クローン病の食事療法を考える会」の10年−
発表者 ○東 貴代、三岩 富美恵、竹内 夕紀子、松田 環季、 庄内 恵、吉田 典代
(北海道IBD食食事療法研究会)
【はじめに】 日本栄養改善学会の中で開催される自由集会「クローン病の食事療法を考える会」では、継続して実施した10年の成果として「クローン病患者のための緩解期栄養・食事指導マニュアル(案)」を作成発表した。
【目的】 確立されていないクローン病の栄養食事指導は、施設や栄養士によりその内容が異なるために患者に不安や不信をあたえ、また、指導する側の栄養士にとっても困難なため、基準が必要ではないかとの多くの声を背景に作成された。
【経過】 平成10年の日本栄養改善学会で発会された「クローン病の食事療法を考える会」では、毎年継続して症例発表や各施設での取り組み・指導方法等についての研究や議論を重ねてきた。その後、北海道・神奈川・大阪地区の各研究会で作成した栄養指導マニュアルを持ち寄り、集約調整して平成17年6月に全国版マニュアル(案)としてまとめられた。
その後、厚生労働省難治性炎症性腸障害調査研究班主催の研修会での説明を経て内容の見直し、さらにこのマニュアル(案)を利用したインターネットでのIBD管理システム「IBDナビ」が誕生し、現在に至っている。
【考察】 マニュアル(案)が作成されたことは大きな成果であり、1つのテーマに時間をかけ全国の各職域の栄養士の知恵が集約されたことは意義のあることといえる。現在、マニュアル(案)とあわせIBDナビについての改善を模索中である。そのために患者や医療スタッフを含めた多くの関係者に周知・使用してもらうと同時にその意見や要望を集約し、今後もさらに使用しやすい内容の検討が必要と考える。
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